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「ねずみに支配された島」 ウィリアム・ソウルゼンバーグ著 野中香方子訳

  先の大戦、日本軍が"煙のごとく消えた"見事な撤退作戦で知られるアリューシャン列島・キスカ島。この戦争の最中に侵入したわずか1、2匹の東アジア原産のドブネズミが恐るべき生態系の破壊を引き起こす。
 かつて、空を埋め尽くすほどの大群で島に舞い降りた「ウミスズメ」を見つけると、ドブネズミは後頭部を噛んで穴を開け、柔らかい脳みそと眼球だけを食べてしまう。そして膨大な死体を巣の中に積み上げてゆくのだ。
 だが、気の遠くなるような歴史の中で「このような天敵」と対決した経験のないウミスズメは"大虐殺"の前になすすべもなく、ただじっと見つめているしかない。
 ニュージーランドの"飛べないオウム"「カカポ」や島で独自の進化を遂げた「キウイ」、「ムカシトカゲ」なども、"侵入者"によって危機にさらされている。背筋が凍りつく衝撃の科学ノンフィクション。

書名:ねずみに支配された島
著者:ウィリアム・ソウルゼンバーグ著  野中香方子訳
発行:文芸春秋
定価:1800円+税

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