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「終活難民　あなたは誰に送ってもらえますか」 星野 哲著

平凡社
新書
星野哲著
難民
夕刊フジの書評から
2014/3/21
 　人が看取られ、弔われるということは、もはや当然のことではない。2050年には全世帯数の約４割が単身世帯になり、そのうち65歳以上の高齢単身世帯は５割を超える。この先さらなる困難が待ち受けるなかで、私たちはどこに希望を見いだせるのだろうか。
　著者は「終活」当事者の語りに耳を傾けるなかで、家族制度に頼ることなく、社会で死を受け止める道を模索してゆく。生前契約システムを担うNPOや、古くからの地域ネットワークを有する寺などは、その鍵となる重要な存在として紹介されているが、今後ますます検証が必要となるだろう。
　生を充実させるためにこそ、最期の在り方を考える―本書は人生の終着点から現在を見返すことの重要性を再認識させてくれる１冊。終活の当事者だけではなく、家族をベースとしない個人化社会のあり方や、人間の尊厳とは何かを考える人にも必携の書だ。

書名：終活難民　あなたは誰に送ってもらえますか
著者：星野 哲
発行：平凡社新書
定価：798円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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