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「スリジエセンター1991」海堂尊著

海堂尊著
講談社
夕刊フジの書評から
2012/12/19
 『チーム・バチスタの栄光』などで知られる著者の最新作は、シリーズの舞台、東城大学医学部付属病院の過去を描いたものだ。
　佐伯教授にモナコから招かれた天才外科医・天城は、手術を受けたいなら全財産の半分を差し出せと放言する異端児だ。そんな天木が目論む心臓外科専門病院、スリジエ・ハートセンター設立を危惧する病院内の者が、自分たちの立場を守るため抵抗勢力となり陰謀を張り巡らせる。院長選挙を巻き込んだ対立の過程は、リアリティーに満ち、現役の医師であり、大学病院勤務経験もある著者ならではの迫力だ。
　高階、世良、藤原など海堂作品にお馴染みの登場人物が、どのような経緯で今に至るかが明かされる「桜宮サーガ」の中核となる作品でもある。

書名：スリジエセンター1991
著者：海堂尊
発行：講談社
定価：1680円

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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