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「戦争は人間的な営みである―戦争文化試論」石川明人著

 戦争は悪だ、誰もが平和を願う。だがそれにもかかわらず、戦争や軍事には人を魅了するものがある。なぜ人は「戦い」に惹きつけられるのか。
 北大で宗教学を教え、自身もキリスト教徒の著者が、戦争に興味を持ったきっかけは、愛と平和を唱えるはずの聖職者(従軍牧師)が、なぜ軍隊にいるのかという素朴な疑問だった。戦争は多くの場合、何らかの愛や希望や正義感があるから、人は命をかけて戦うことができ、戦争を正当化できてしまう。
 戦争は「悪意」ではなく「善意」から生まれる。そこに、悲劇の本質があると著者は言う。人間の矛盾と限界を見つめた、挑発的な戦争論である。
 アルピニストの野口健氏も「戦争を考えるきっかけが詰まっている」と本書を激賞する。



書名:戦争は人間的な営みである―戦争文化試論
著者:石川明人
出版社:並木書房
定価:1575円

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