読むべき本、見逃していない?

「博士ママ」が教える「子どもとスマホ」の付き合い方

  • 書名 スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子
  • 監修・編集・著者名五十嵐悠紀 著
  • 出版社名ジアース教育新社
  • 出版年月日2019年9月 6日
  • 定価本体 1800円+税
  • 判型・ページ数四六判・192ページ
  • ISBN9784863715103

 子育てには昔からいろいろな悩みが付きまとう。近年の新しい悩みは「スマホ」だ。子どもが欲しがるので持たせたが、その判断は正しかったのか。知らないうちに何かとんでもない使い方をしていないか。親の心配は尽きない。

 本書『スマホに振り回される子 スマホを使いこなす子』(ジアース教育新社)は、そうした悩みを持つ親に、子どもとスマホの関わり方について、基礎からやさしく解説する。

禁止では自主性が育たない

 類書は少なくないが、本書は、著者の五十嵐悠紀さんの経歴が際立っている。1982年生まれ。お茶の水女子大学理学部卒業、東京大学大学院コンピュータ科学専攻修士課程、博士後期課程修了。博士(工学)。日本学術振興会特別研究員を経て、明治大学総合数理学部准教授。三児の母として子育てをしながら多数の著者がある。つまり本書は、コンピュータの専門家であると同時に、子育ても経験している著者による「スマホ指南書」となっている。

 キッズ携帯などを含めると、すでに小学生は約5割、中学では約7割の子どもが「携帯」を所有しているそうだ。本書は「1章 子どもを取り巻くネット社会の現状」「2章 インターネットでできること」「3章 ネットにひそむ危険―トラブルの例と対策―」「4章 保護者はどう関わると良いか」に分けて、親子とスマホの関わりについて説明している。

 著者はコンピュータの専門家ということもあり、「スマホを持たせない」という立場ではない。「あれはダメ、これはダメと親が規制するのは簡単で手っ取り早いかもしれませんが、それでは子どもの自主性は育ちません」。本書は、どうすれば有意義に使いこなせるのか、を軸にスマホとの建設的な付き合い方を教える。

スマホが授業で使われている

 IT化の波はすでに教育現場に訪れている。著者の子どもが通う公立小学校では2017年から電子黒板が導入されているそうだ。20年からは小学校でプログラミング教育が始まる。情報教育は一段と加速するはずだ。

 本書では、「自分の持っている機器を学校に持ち込んで使用する授業」を18年から実施している東京の有名私立校「鴎友学園女子中学高等学校」(世田谷区)の実例を紹介している。「BYOD」(Bring Your Own Device)という取り組みだ。生徒は持ってきたタブレットやスマホ、ノートパソコンを取り出し、教師と双方向で授業が始まる。

 教師が「公式を覚えているか、確認テストを送ります」と声をかける。すると、生徒の機器にテスト問題が表示され、生徒は機器に応じた入力方法で解く。グループ学習なども行われている。英語や国語でも使われているという。

 これは、一定以上のIT能力を持つ生徒を集めている学校だからこそできることでもあるが、これからどんどん広がっていくことだろう。もはや「学校にスマホ持ち込み禁止」などとスマホを悪玉にしているだけでは、IT教育から取り残されていくことがわかる。

 3章では、インターネットを使ったいじめ、LINE を使ったいじめ、個人情報、スパムメール、携帯・パソコンでのゲーム、ネットを使った小遣い稼ぎ、出会い系サイト、著作権や肖像権の侵害、架空請求・ワンクリック詐欺、ネットショッピングなどについて、一通りの説明がされている。

 30代の母親なら、同世代の女性によって書かれたスマホ教育本として刺激になるのではないか。親がママ友とのLINEに振り回され、ネットショッピングにうつつを抜かしているだけでは、子どもにも良い影響を与えないことを改めて自覚できる本でもある。

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