読むべき本、見逃していない?

親子で学べる「小笠原流礼法」テキスト

  • 書名 かしこい子どもに育つ礼儀と作法
  • サブタイトルよくわかる小笠原流礼法
  • 監修・編集・著者名小笠原 清基 著
  • 出版社名株式会社方丈社
  • 出版年月日2019年11月11日
  • 定価本体1500円+税
  • 判型・ページ数A4判変形・136ページ
  • ISBN9784908925542

 わが子を「かしこい子ども」に育てるために大切なことは何か。親の関わり方、家庭環境、勉強法、習い事などがパッと頭に浮かぶ。そこに「礼儀と作法」を挙げる人は少ないのではないか。

 本書『かしこい子どもに育つ礼儀と作法 よくわかる小笠原流礼法』(方丈社)は、弓馬術礼法小笠原流次期宗家の小笠原清基さんによる「大人になっても役立つ振る舞いを、親子で学ぶ」テキスト。「礼儀と作法」の切り口から「かしこい子ども」の素地をつくろうというものだ。

基本は「実用」「省略」「美」

 著者の小笠原清基さんは、31世宗家小笠原清忠氏の長男として1980年に生まれる。3歳より稽古を始め、5歳より小笠原流の諸行事に関わる。小学5年生で鶴岡八幡宮の流鏑馬神事で射手をつとめる。大阪大学基礎工学部卒業後、筑波大学大学院で神経科学博士を取得。「家業を生業としない」という家訓から、現在製薬会社で癌の治療薬の研究を行いながら、週末などを利用して流鏑馬をはじめとした流儀の継承につとめている。

 小笠原流礼法は850年以上の歴史があり、一子相伝として伝承されてきたという。また、小笠原家は代々弓馬術礼法の師範として将軍家に仕えたため、小笠原流礼法は武家の礼法が基となっている。武家の礼法とは、敵に襲われたときすぐに立ち回れるよう、とても合理的だという。

 「小笠原流の礼法は飾りでつくった動きではなく、無駄をそぎ落として洗練された動きです。基本は『実用』『省略』『美』。つまり『日常の行動として役に立ち、無駄がなく、ほかから見て美しくある』ということです」

 また、小笠原流礼法は「なぜ、こうするのか?」という裏づけの理論を大切にしているという。伝統を重んじる世界では「昔からこうしている」という決まりやしきたりが少なくないが、それでは「なぜ? なぜ?」と何でも知りたがる子どもは納得できないと小笠原さんは考える。

 「これからは自分で考え、行動できる子が、本当の意味での『かしこい子』なのではないかと、私は考えています。考える力を鍛えるためにも、小笠原流礼法を知り、『なぜ、こうするのか?』を理解し、実践していただきたい」

「立つ、座る、歩く、物を持つ、食べる」

 本書は、小笠原流礼法に基づいて、子どものうちから身につけておきたい基本動作を紹介し、稽古のしかた、子どもへの教え方を解説している。

1 姿勢と動作
正しい「立つ姿勢」、「座る姿勢」、「座り方」「立ち方」、「イスに座る姿勢」「イスに座る動作」、「歩き方」
2 おじぎ
正しい「立ってのおじぎ」、「座ってのおじぎ」、「行きあいの礼」「前通りの礼」
3 室内出入りの作法
正しい「ドアの開け方、閉め方」、「引き戸の開け方、閉め方」、「座布団の座り方」
4 物の持ち方、受け渡し方
正しい「物を持つときの姿勢」、「物の受け渡し方」
5 訪問の作法
正しい「玄関での作法」、「訪問の作法」、「お茶とお菓子のすすめ方と、いただき方」
6 食事の心得
正しい「箸の扱い方」、「食事のいただき方」、「つつしみたい箸使い」

 たとえば「1 姿勢と動作」は、「Q 姿勢はなぜ正しくしなければいけないの?」といった素朴な疑問が投げかけられ、それに対し「A そうしないと、体が痛くなるからです」と端的に答えている。その後「A」に対する解説「小笠原流礼法では、正しい姿勢=人間の骨格に合った姿勢のこと......」と、人体のイラストを用いた解説「背すじは、身長をはかるイメージで、まっすぐ伸ばす」と続く。

 子ども目線のQ&Aとイラストが多く、子どもの食いつきはいいだろう。親は「教えるポイント」を読んで子に教えつつ、自身も一緒に学ぶことができる。

「かしこさ」とは「発想力・応用力」

 本書を刊行するにあたり、小笠原さんが難しく感じたことがあったという。

 「小笠原家では、日常的におこなうようなことの多くは伝書に記載はなく、口伝といって、口で伝えられてきています。そのため文章にするのは難しいところもありました。......自身で考える力をつけ、本質を理解していただきたい」

 「礼儀と作法」をはじめ、「本質」を理解せず、なんとなくやっていることがいかに多いかと気づかされる。

 「『かしこさ』とは成績の良し悪しではなく、発想力や応用力であると思います。それらを発揮するには問題の本質を理解し、基礎を発展させていくことが大切ではないでしょうか」

 本書に書かれている内容は、子に限ったことではない。礼法を通じて「なぜ、こうするのか?」と考え、親子で「本質」を見極める力を身につけたいと思う。

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