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「ごみ屋敷」「ペット公害」「民泊」「空き家」などで悩んでいる人へ

隣り近所のトラブル解決Q&A

 ワイドショーを見ていると、よく弁護士が登場する。芸能人のゴタゴタから、犯罪の話まで出番が多い。視聴者はたいがい高みの見物だが、ときどき身近な話題になって身を乗り出すことがある。それが「ご近所トラブル」だ。

 本書『隣り近所のトラブル解決Q&A―安心して住める住環境を作るために』(法学書院)は近所のもめごとの解決法を「質問」と「解答」形式でアドバイスしている。実際に弁護士に相談する前に、ちょっと手に取ってみると参考になるかもしれない。

境界紛争や騒音、無断駐車...

 公道を私有地にして、通行を妨害しているおっちゃん、二階から怒声を発しながら何かをブン投げるおばちゃん。「ちょっと困った住民」はしばしばテレビでも話題になる。警察では「民事のゴタ」として突き放され、役所では権限外とか、行政指導をしているが効果がないと責任逃れ。

 本書では10章に分けて、境界紛争や騒音、無断駐車など様々なトラブルと対処法を紹介している。たとえば、ペットの問題。集合住宅の住人が近所の野良猫に餌付けして、猫が増えた。糞尿や悪臭で困っている。そんな時はどういうことが可能か。裁判で「餌やり行為の差し止め請求」というのが認められた例があるそうだ。

 しばしば問題になる「ごみ屋敷」。これまでは法の盲点になって、手を出しにくかった。産業廃棄物処理法など関係法令は「事業者」が対象だったからだ。最近は「ごみ屋敷対策条例」を制定した自治体が増えており、この条例に基づき京都市は2015年に全国で初めてごみを強制撤去する行政代執行に踏み切ったという。自分の住んでいる自治体に、そうした条例があるか、まず確認してみよう。このほか話題の民泊や空き家についても取り上げられている。

 本書の著者は荒井総合法律事務所。多数の弁護士による共著だ。このほかにも、類書は少なくない。近所ともめている人は、1人で悩まずに、この種の本をぱらぱらめくってみると、解決策が思い浮かぶかもしれない。

  • 書名 隣り近所のトラブル解決Q&A
  • サブタイトル安心して住める住環境を作るために
  • 監修・編集・著者名荒井総合法律事務所 編
  • 出版社名法学書院
  • 出版年月日2018年6月 1日
  • 定価本体1800円+税
  • 判型・ページ数四六判・249ページ
  • ISBN9784587219451

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