「ホリエモン」こと堀江貴文さんを最近、テレビで2回見た(2018年6月)。1回は堀江さんが参画する民間ロケットの打ち上げ失敗のニュースで、もう1回は堀江さんが主宰する「爆食会」という会食会でちらりと映った姿だった。どちらも自分のやりたいことに邁進する堀江さんの近況を伝えていた。
そんな折に手にしたのが本書『仕事も人生も娯楽でいい』(宝島社新書)だ。2つの映像に関連することばがないかとページをめくると、あった。ロケットの打ち上げについては「誰もやらないから私がやる」「ロケットも大量生産」ということばが裏付けになっている。「私は人類の未来の希望のために宇宙開発事業に投資している」「宇宙へ行くための価格を抑えれば、もっと多くの人が行けるようになるのではないかと思うのだ」とある。そして「意欲のある若者に投資を」と語り、ベンチャー企業にかかわっている。「体の自由が利き、そして上昇志向を持ち、新しいビジネスを創造する意欲のある若者に投資をすることです」と考えるからだ。
インターネット企業「ライブドア」を起業し、その後東京地検から強制捜査を受け、裁判では一貫して無罪を主張したが、2年6カ月の実刑判決を受け、収監された。服役後も「面白いと思うことをやろう」を行動原理に、さまざまな事業、活動を展開している。
一回に10軒の店で飲食するという「爆食会」もただ単に飲み食いだけが目的ではないようだ。「酒食に金をケチってはいけない」理由として、こう書いている。「酒食にお金を費やすことでいちばん得られるもの、幅広い人脈ができました。美味しい料理とお酒に囲まれると多くの人は上機嫌になり、普段得られないようなコミュニケーションがとれます。そんなコミュニケーションから新しい発想が生まれ、ひいてはお金に結びつきます。すべてにお金をケチっては何も生まれません」
本書では205の堀江さんのことばを取り上げ、その思考と行動原理を自身が語っている。「俺の中に『失敗』はない」と書いている堀江さんだから、今回のロケットの打ち上げ失敗も気にしていないだろう。
本欄では、堀江さんと落合陽一さんの共著『10年後の仕事図鑑』を紹介したが、そこでも堀江さんは「趣味を仕事に生き残れ」と説いている。
本書は2016年8月に刊行された『堀江貴文 人生を変える言葉』に書き下ろしを加え、再編集して新書化されたもの。
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