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我が子を藤井六段にするには

頭の良い子は将棋で育つ

 15歳・藤井聡太六段の29連勝の快進撃、羽生善治竜王の通算1400勝達成と将棋界は最近、明るいニュースで世間の注目を集めている。本の世界でも『永世七冠 羽生善治』(宝島社)など羽生竜王のインタビューや対談をまとめた本の出版が相次ぎ、棋士が主人公のミステリー『盤上の向日葵』(中央公論新社)が今年(2018年)の本屋大賞2位になるなど、将棋が何かと話題になっている。

 なかでも幼児や小学生をもつ親に関心をもたれているのが将棋教室だ。藤井六段人気で子供を対象にした将棋教室がにぎわっているそうだ。本書『頭の良い子は将棋で育つ』(幻冬舎)は、女流棋士三段で東京・吉祥寺の将棋教室「将棋の森」代表の高橋和(やまと)さんが、3000人の子どもへの指導をもとに書いた本だ。

 
実際、将棋は子供の力を育む上で次のようなメリットがあるという。
・考え続けることができる「集中力」 ・勝利への道筋を脳にインプットする「記憶力」 ・結果を引き受ける「逃げない力」 ・頭でなく心で学ぶ「礼儀作法」

 将棋を習わせると学校の成績は上がり、高橋さんは「将棋が強い学校は、中学・高校なら麻布や開成、大学なら東大、慶應、早稲田など、学力の高いところが多いです。将棋の強さと学力の高さは比例していると考えられます」と書いている。

負けた子供へのNGワードとは?

 将棋はことさら勝ち負けにこだわるゲームであり、こだわるから強くなる。藤井六段もそうだったという。子供が負けた時、親が絶対に言ってはならない言葉があり、高橋さんは「また負けたの」「せっかく連れてきたのに」「泣いてばかりいて」「どうして強くならないんだろうね」の4つを挙げる。また強くなるには、自宅での基本は詰め将棋だという。レベルごとの学習法やプロをめざす場合の道筋も書いてあり、さまざまな子供に対応できそうだ。

 藤井六段は、4月に高校に入学した。東大合格者も複数出る名古屋市の進学校だ。将棋のトーナメント戦でどこまで勝つのか注目されているが、抜群に頭が良いという藤井六段、3年後にもし大学受験したら、どこの大学に合格するか? ひそかに期待している関係者もいるだろう。亡くなった米長邦雄・元日本将棋連盟会長は「兄たちは頭が悪いから東大に行った。私は頭が良いから将棋の棋士になった」と語ったという。藤井六段が将棋と学業を両立させたら、世の中の母親たちは全員将棋ファンになるかもしれない。

  • 書名 頭の良い子は将棋で育つ
  • 監修・編集・著者名高橋和 著
  • 出版社名幻冬舎
  • 出版年月日2018年3月30日
  • 定価本体780円+税
  • 判型・ページ数新書判・197ページ
  • ISBN9784344984943
 

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