末次由紀による少女コミックス『ちはやふる』は、2007年に『BE・LOVE』(講談社)で連載が開始された。「競技かるた」を題材に、年代、性別を超えて支持され、コミックス累計37巻、発行部数2100万部(2018年2月時点)を突破した。
2018年3月17日に公開された映画「ちはやふる 結び」(監督・脚本 小泉徳宏/主演 広瀬すず)は、2016年に公開された2部作(「上の句」「下の句」)に続くシリーズ3作目で、完結編となる。本書『小説 ちはやふる 結び』(講談社、2018年)は、著者の有沢ゆう希が、映画を原案として書き下ろした小説で、『上の句』『下の句』(講談社)に続くシリーズ3作目となる。
千早と太一と新は、小学6年生の時のクラスメイト。3人は一緒にかるたを取り合う仲だったが、新が福井へ引っ越すことになり、離ればなれになる。高校生になった千早は、再び新に会うために、太一とともに瑞沢高校かるた部を創る。創部1年目にして全国大会に出場したが、千早は史上最強のクイーンに敗れ、さらに強くなることを誓った。(『上の句』『下の句』より)
あれから2年が経ち、福井にいる新も高校でかるた部を創り、近江神宮で行われる全国大会への進出を決意する。一方、瑞沢高校かるた部は入部した新入生とともに、予選を迎える。だが、予選当日、千早は太一が退部したことを知る。
太一は、かるたか勉強か、1つに絞らなければならない時期だと感じていた。また、太一は、千早が新に想いを寄せていることはとうに気づいているが、ここに来て新が千早に告白したと聞き、心を乱していた。千早は、太一とかるたに励んだ思い出を噛みしめ、強くなって太一を待とうと決意する。
「千早振る(ちはやふる)」とは、「たけだけしい、荒々しい」の意味。高校3年生の夏、それぞれが進路や恋に悩みながらも、かるたに一途に向き合い、青春を懸ける姿が、熱い。千早、太一、新は再びかるたで繋がるのか。彼らのほとばしる情熱に触れ、1つのことに打ち込めるのは素晴らしい、と感じる。
原作者の末次由紀は、1992年『太陽のロマンス』でなかよし新人まんが賞佳作を受賞し、デビュー。『ちはやふる』で、11年に講談社漫画賞少女部門を受賞した。
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