読むべき本、見逃していない?

土地神話が崩壊しつつある

書評掲載元:日経新聞 2017年8月12日
  • 書名 人口減少時代の土地問題
  • サブタイトル「所有者不明化」と相続、空き家、制度のゆくえ
  • 監修・編集・著者名吉原祥子 著
  • 出版社名中央公論新社
  • 出版年月日2017年7月20日
  • 定価本体760円+税
  • 判型・ページ数 新書判・208ページ
  • ISBN9784121024466

 このところ「土地問題」についての記事を見かけることが多い。朝日新聞では2017年8月12日、朝刊の1面と3面で「負動産」について大展開していた。売るに売れない土地やマンション、手放す時に大損する「負動産」についての特集だ。日経新聞では同14日から1面で「人口減」の連載。その初回で「土地の2割、所有者不明」を取り上げている。

 本書はその日経新聞の12日の書評欄で、「所有者不明問題」を多角的に論じた本として紹介されていた。著者の吉原祥子氏は東京外国語大学卒。タイ国立シーナカリンウィロート大学へ国費留学。米レズリー大学大学院(文化間関係論)、米Institute of International Education (IIE)バンコク支部を経て、1998年から東京財団勤務東京財団の研究員。主な関心領域は国土資源、土地制度、地域文化だという。

 財団のHPに著者インタビューが掲載されている。それによると、研究は、東京財団が2009年から行った国土資源保全プロジェクトの成果が土台になっている。高齢化や過疎化で地域の土地の担い手が減る一方、日本の森林に海外の投資家が注目。もし新しいかたちの森林売買が広がれば、地域の環境や地下水の保全にも影響が及ぶのではないか、そうした危機感が発端だったという。

 したがって本書は、不動産業界的な視点からではなく、「文明と環境」という歴史的、国際的な角度からのアプローチとなっている。それだけに諸外国との比較にもページが割かれ、日本の現状を考えるうえで参考になる。

 著者は朝日の特集でも、「土地問題に詳しい」専門家として登場していた。日経の書評では「このまま問題を放置すると国土はどんどん荒廃する。そんな危機感を抱かせる本である」と紹介されている。

 不動産関係者のみならず、中央官庁、全国の自治体関係者、政治家などにとって参考になる本である。

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