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容赦ない私小説家を見守った詩人の妻

書評掲載元:朝日新聞 7月2日 著者インタビュー

夫・車谷長吉

   車谷長吉は『鹽壺の匙』でデビュー以来、家族、友人、知人を容赦なく描く私小説作家の極北とも言うべき小説家だった。筆禍事件も数知れず、本人も強迫神経症に苦しむことが多かった。そんな車谷と遅い結婚をしたのが詩人でエッセイストの著者である。

   壮絶な結婚生活を描きながら、どこかユーモラスなところもある。もの書き同士の夫婦は大変だというが、著者が夫をあたたかく見守った様子がうかがえる。

   怖いもの見たさで、車谷の小説をたまに読むことがあったが、そのすぐ近くに、著者がいたかと思うと、なぜか心がほっこりしてきた。

  • 書名 夫・車谷長吉
  • 監修・編集・著者名高橋順子 著
  • 出版社名文藝春秋
  • 出版年月日2017年5月17日
  • 定価本体1600円+税
  • 判型・ページ数四六版・280ページ
  • ISBN9784163906478

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