お金持ちってどんな人たちなのでしょう。高級レストランへ行ってご飯を食べる人たちでしょうか。でも高級レストランは、庶民でも背伸びをすれば行けます。本当のお金持ちは、高級レストランに投資をするような人です。著者は投資ファンド運用会社に勤めていたときに、多くのお金持ちとお付き合いをし、彼らに共通する精神性や行動パターンを見出しました。それを「お金持ちの教科書」と銘打ったサイトで紹介したところ、大人気となり、このたびの本の刊行となりました。
それでは、さっそく本の中からお金持ちのエピソードや著者の独自分析で面白いものを2,3紹介しましょう。
食品関連ビジネスで大成功を収めたある実業家。成功した食品は、たまたまその企業が真っ先に売りだしたもので、非常にラッキーだったというだけなのだが、世間はそれだけではないでしょうと疑いました。実業家は、根ほり葉ほり聞かれるこの話に辟易し、もっともらしい理由を考えて、対応することになったとか。お金持ちは一般に世間の目を気にするので、えてして話に嘘が入ってくるという事実。
「初デートで割り勘を言いだす男は、お金持ちにはなれない」
のるかそるかの初デート。嫌われれば、もう2回目はないかもしれないとき、割り勘を言い出すのは、その後のお付き合いの可能性を低くします。初回デートは投資です。「僕が払うよ」と言い出せば、好印象になるし、私も出すよとなるかもしれない。割り勘にこだわる人は、仕事にもそれが顕著に反映されています。目標達成のための手段を一つにこだわり、柔軟性を欠くとうまくいきません。
島田紳介さんは不動産投資で財をなしました。彼の不動産投資のポリシーは、自分の目で確かめること。投資対象を都内に限定したうえで、必ず投資対象を自らの目で見る。現地に足を運ばないで、人の話だけで進めるほど不安定な投資はありません。紳介さんに限らずお金持ちは、自分の目で確かめることを不動産投資のポリシーにしています。
それと同様に、仲のいい友人からの儲け話も同じです。その話は本当なのか、きちんと裏付けをとることは必要です。お金持ちは仲間の話だからといって安心はしません。必ず安全な道に進むのです。
さあ、ほかにも私たちのうかがいしれないお金持ちたちの考え方や行動は、たくさんあります。この本で、その一端に触れてみてください。
書名:お金持ちの教科書
著者:加谷珪一
発売日:2014/1/30
定価:本体1500円(税別)