村上春樹著『1Q84』(文庫版)のカバー絵でもおなじみの、ヒエロニムス・ボスの代表作「快楽の園」。
3枚のパネルからなる祭壇画では、誘惑されるアダムとイブに始まり、その子孫たちが快楽に溺れる狂宴の様子が中央に描かれている。
そして彼らを待ち受ける地獄では、楽器やサイコロなど本来快楽に耽るための道具が、罪人たちを執拗に苛む。
中央のパネルだけで500人もの男女が登場するこの一大スペクタルは、今なお多くの謎を残し、さまざまな解釈を可能にしている。
本書は、その「快楽の園」を筆頭に、ヒエロニムス・ボスの主要作品を、全解説。
最新の研究と科学的調査の成果による新発見もすべて網羅している。
ダ・ヴィンチと同時代のオランダに生まれ、ルネサンス期にすでにシュルレアリスムを先取りしていた天才画家が描く狂気の世界を紹介する。

編著者 :神原正明定価:2,310 円(税込)ページ数:160初版発行:2012-08ISBN:978-4-404-04235-4