親鸞は晩年になって、
自分の最期をどのような形で迎えようと考えていたのだろうか。
かれの起伏に富む 人生の跡は、
もしかするとその浄土観の変遷の中にこそ鮮やかな形でにじみ出ているのではないかといつしか
思索するようになっていたのである。
いささか理屈っぽくいえば、西方十万億土浄土、海上浄土、
そして山中浄土というトライアングルをめぐって
展開していったと思われる親鸞における生と死の問題、
といってもいいだろう。本書を構想する上で
いつも念頭にあった主題である。

書名:親鸞の浄土
著者:山折哲雄
発売日:2007/7
定価:1680円(税込)