今年45歳。「キング・カズ」はなぜ“やめない”のか。

　1967年に静岡県に生まれ、15歳で単身渡航したブラジルで、プロサッカー選手に。帰国後、1993年発足のＪリーグで初代ＭＶＰになるなど活躍。日本代表の試合では55ゴールを記録。Ｊリーグのみならず、イタリアのセリエＡやクロアチア・リーグでもプレー。その後、京都、神戸を経て、横浜ＦＣへ。今年（2012年）1月にはＦリーグにも初参戦──。
　そんな、とても濃密なサッカー人生を送ってきた「キング・カズ」も、今年（2012年）2月26日で45歳。40代になってもサッカーを「やめない」その思考と足跡の記録を、みずから刻んだのが、本書『やめないよ』です。
　40代半ばになっても、「キング」は、練習量を減らして軽く流してしまおうなどとは考えません。親子ほど歳の離れた若手選手たちと同じ量の練習に日々、汗を流し続けているのです。
　昨年（2011年）3月29日の震災復興支援チャリティマッチでのゴールをご記憶の人も多いでしょう。Ｊリーグの歩み、日本代表の軌跡、1998年のワールドカップに行けなかったこと……。日本サッカーにまつわる歓喜も哀愁も背負ったままサッカーを続けるカズ選手が、自身だけでなく様々な人たちの「思い」を受け止めながら決めたか
のような歴史的ゴールでした。
　そんなカズ選手は、『やめないよ』のプロローグで、「サッカー生活に終止符を打つ気持ちはさらさらない」と言っています。「やめないよ」という言葉は、そんなカズ選手の決意の表れでもあるわけですが、なぜ、そのようにモチベーションをずっと高く持ち続けられるのでしょうか──。
　本書『やめないよ』には、そのための“極意”ともいうべき考えがそこここに織り込まれているのです。

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やめないよ
三浦知良　著
定価777円（新潮新書）
2011/01/15発売