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東日本大震災で、「生後100日」のわが子を波にさらわれた父親からの、あまりにも切ないメール

 東日本大震災で甚大な被害に見舞われた三陸の港町、釜石市。
 未曾有の数の遺体を前に人々はどう弔いをなしていったのか──。
 『遺体―震災、津波の果てに―』は、ノンフィクション作家、石井光太さん渾身の、当時の遺体安置所をめぐる壮絶なるルポルタージュ。2011年10月発売以来、多くの人々の共感を呼んでいます。

 刊行後しばらくして、石井さんは一通のメールを受け取りました。それは本の中で描かれている、「生後100日」とメモの置かれていた、安置所の遺体の中でもとりわけ小さな遺体に関するものでした。
「この赤ちゃんは、うちの子ではないでしょうか?」

 プライバシー保護のため、本で取り上げた故人のお名前はすべて仮名にしてありましたが、その描かれている状況から、波にさらわれ命を落とした、自分のお子さんではないかというお問い合わせでした。
 あまりにも切ない父親からのメール、その後のやりとりの詳細を石井さんご本人がブログで、「『遺体』について大切なお知らせ」としてまとめています。

 今回の震災は、死亡・行方不明者あわせて約2万人もの犠牲を出しました。「復興」が語られる一方で、亡くなった方々の思い出を胸に日々を生きている方々が大勢いるということ――今回寄せられた一通のメールで、改めて思い知りました。
 『遺体──震災、津波の果てに──』、多くのみなさんが現地に思いを馳せるきっかけになればと願っています。

『遺体──震災、津波の果てに──』関連情報はこちら
作家・石井光太ら、「震災遺体の現実」を語る【ダイジェスト】(YouTube)

遺体──震災、津波の果てに
石井光太 著
定価1575円
2011年10月27日発売
新潮社

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