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残念な上司を持つ貴方に!『それからの三国志』に学ぶリーダー力

長引く平成不況、大震災と原発問題、そして円高……。2000年代に入り、浮上するきっかけすら掴めないまま10年がすぎ、今年はさらに、世界における日本の沈没が加速した年だった。
 かつて高度経済成長を支えた日本のモノづくりはどこへ行ったのか。功罪はどうあれ、あれだけ存在感を放った戦前の日本政治はどこへ行ったのか。
 
 閉塞感漂う日本を見つめたとき、そんな思いがこみ上げてくる。その原因を探ると、誰もがたどり着く共通の答えに「リーダー不在」が挙げられるだろう。
 松下幸之助、本田宗一郎、吉田茂、混迷の時代には、強烈な個性で組織を引っ張るリーダーたちがいたが、現在の日本で、彼らに匹敵する「個性」を上げることは難しい。ただ、強すぎる個性、カリスマは、低成長時代の社会では敬遠され、拒否反応を生むのも当然だろう。
 
 ではそんな社会に必要なリーダーとは何なのか。カリスマ無きあと、推進力を失い、失速する組織を束ね、浮上させる力は何なのか。その答えを探そうとした時、半世紀以上高い成長を続けてきた日本の中から見つけることは難しい。
 
 そこで広く歴史を振り返ったとき、もっとも学ぶことができるのが、諸葛孔明没後の50年、いわゆる「三国志」が終わったあとの時代ではないかと思うのだ。
 劉備、曹操、孔明、超雲など、時代のカリスマはすべてこの世を去り、三国は混迷を極める。そんな中で、大義を掲げ、私利を捨てて戦った姜維などの武将には、今のビジネスマン、リーダーたちが学ぶべき教訓がひしめいている。
 あれだけ残念な上司である劉禅に邪魔されながら、姜維はなぜ「北伐」を断念しようとしなかったのか。
 皇帝への権力が集中する中で、「社内政治」に長けた司馬懿はどうやって覇権を握っていったのか。
 一定の組織が出来上がり、制約の中で大望を追う武将の姿には、三国志の「乱世」にはない、心の葛藤が詰まっている。
 
 孔明没後のドラマを描く感動の歴史大河。ぜひ本書を読み、混迷の時代を乗り切る答えを見つけてほしい。


書名:それからの三国志
著者: 内田重久
発売日:2011年10月5
定価:上 烈風の巻 定価609円(税込)
   下 陽炎の巻 定価609円(税込)

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