固まったココロがとけていく。
生きるチカラがわいてくる。
1993年に発売され、200万部を超えるロングセラーとなった、小泉吉宏さんの「ブッタとシッタカブッタ」シリーズ。12年ぶりとなる最新作『ブッタとシッタカブッタ いのちのオマケ』上・下(KADOKAWA)が刊行された。完全アナログで描きおろしたフルカラーの2冊となっている。
悩みが尽きないブタの「シッタカブッタ」。自分を見つめ、考え、ときにブタの「ブッタ」に諭されながら、人生を模索する。さらに、名探偵「ポークス」や助手「ワトトン」も登場。思わず笑ってしまう脱力系ギャグと、自分の心に振り回されずに生きるヒントが、ギュッと詰まった4コマ漫画だ。
「心をおだやかにする方法」では、イライラを解決するコツが描かれている。一つは、原因を取り除くこと。靴の中に小石が入ってイライラしているなら、小石を取り除けばいい。もう一つは、何があろうと受け入れること。
「クツの中に小石が入ってるけど...ま、いっか」
「あ~ガラスの破片だったんだ 血が出てる...ま、いっか」
「犬がかみついてきた...ま、いっか」
どうしても気持ちが落ち込んでいるときは、無理をしてでも笑顔をつくる。すると、気分が少し明るくなる。「気分がよくなる要因」はおそらくあるのだろうが、それはどうでもいい。気持ちが明るくなるなら、あとはどうでもいいと思うことだという。
「ポークス小咄『名前』」では、わたしたちは何にでも名前をつけて呼ぶが、「名前」は決してそのものの本質を語っているわけではないことに気づかされる。
ワトトンも、生まれたばかりのときは名前がなかった。しかし、「ジョン」と呼ばれるようになってから自分=「ジョン」と思うようになり、自分という存在そのものを忘れがちになってしまったのではないか、とポークスは問う。
「キミはキミだ だいじなのは キミの存在そのものだ」
名前を変えても、本質は変わらない。「くそワトトン」「ばかワトトン」と呼ばれようが、ワトトンの本質とは何の関係もない。だから気にすることはないのだという。
やわらかいタッチのイラストと、少なめのセリフながら、哲学的なメッセージがしっかりと心に届く。ブタたちのゆるい笑いを楽しんでいるうちに、かたくなった「心の筋肉」がほぐれて、「うん、大丈夫。」「もう、大丈夫。」と思えてくる。
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