おにごっこ、ドロケイ(ケイドロ)、缶蹴り、かくれんぼなど、放課後に友だちと遊んだ記憶のある人も多いだろう。当たり前といえば当たり前だが、このような皆で遊べる簡単な遊びは世界中に存在する。
『せかいいっしゅう あそびのたび』(平澤南絵、ぺズル文、寒川恒夫監、プレジデント社刊)を見てみよう。この本では、あいちゃん、そらくん、ペットのビビが、世界40カ国を飛び回り、世界各国の遊びを体験していく。それぞれの国の紹介文には、「ハロー」「ボンジュール」「ニイハオ」など、その国の「あいさつ」の言葉が掲載されている。
ドロケイもおにごっこの一種だが、海外にもおにごっこのような遊びがある。たとえば、アメリカには「どうぞうあそび」なる、おにごっこによく似た遊びがある。つかまった人が「銅像」になるおにごっこである。
ルールは、「彫刻」がオニとなり、逃げる人を追いかける。捕まえたら、その人をつかんで自分の周りを2回回す。回された人は、銅像になり、同じポーズで止まって待つ。彫刻は皆をつかまえたら、一番好きなポーズの人を選ぶ。選ばれた人が次の彫刻となる、という遊びだ。
フランスのおにごっこは「あくまのしっぽ」と呼ばれる遊びである。
これは「悪魔」が皆を追いかけるおにごっこ。悪魔はハンカチを腰にはさんで、しっぽにする。他の人は、悪魔にタッチされないように逃げる。悪魔にタッチされた人は、銅像になって動けなくなる。タッチされずに悪魔のしっぽをとった人が勝ちとなる。
ニュージーランドには「ブルラッシュ」がある。15メートルほどの線と線の間を逃げるおにごっこ。「ブル」は「雄の牛」、「ラッシュ」は突進という意味。反対側の線を超えたら、オニに捕まることはない、というルール。たとえば、オニが「白い服の人」や「名前」を呼んだら、その人が逃げる。オニは、逃げる人が反対側の線を超える前につかまえなければならない。つかまった人も次はオニとなる。オニが「ブルラッシュ」と言ったら、皆が逃げ、全員つかまったら終わり。
おにごっこの他にも、リーダーの動きを真似る韓国の遊び「サッチギ サッチギ サッポッポ」、相手チームのつないでいる手を走り抜けて切ろうとするモンゴルの遊び「ガガナサン ギンジーグ タスラグトゥン」など、本書ではさまざまな世界の遊びを紹介している。
子どものいる人は子どもと一緒に本書で紹介されている遊びを試してみてはどうだろう。「おにごっこ」一つとっても、それぞれに趣が違っておもしろい。ちょっとしたルールの違いが、やってみると大きな刺激になるものだ。
(T・N/新刊JP編集部)
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