ダイエットや筋トレ、語学や資格の勉強。
私たちが憧れる「こうなりたい」という自分像は、コツコツと行動しつづけないと達成できなかったりする。
だから目標を定めて毎日少しずつ努力しようとするのだが、「継続」するということは実は結構難しい。一定の割合の人は途中で挫折して「自分はなんて意志が弱いんだ」と自己嫌悪に陥ることになる。
ただ、『頭のいい継続こそ力なり。』(塚本亮著、すばる舎刊)によると、責めるべきは「意思の弱さ」ではない。粘り強さや根気強さ、自律といった「意志」の力だけで何かを継続しようとするのがそもそもまちがいだ。
物事の継続は「怠けようという心にいかに打ち勝つか」だと考える人は多いが、残念なことに人間の意志力はそんなに強くはない。まずはそのことを知り、「自分と戦わない工夫」をすることが、物事の継続には必要なのだ。
では、物事の継続が「自分との戦い」になってしまう要因はなんだろう。
これは、多くの人がすらすらと答えられるのではないか。「これを毎日続ける」と決めたことがあるのに、だらだらスマホを見てしまったり、ちょっと横になるつもりでそのまま何時間も昼寝をしてしまったり。そう、誘惑物の存在である。
こうした誘惑物を遠ざけて、「スマホをチェックしたい」「少し横になりたい」といった気持ちに打ち勝つ必要がない場所に自分を置くことが「自分と戦わない工夫」の一つになる。
集中して勉強したいなら誘惑が多い自宅ではなく図書館やカフェにいく。ダイエットをしたいならお菓子やお酒のストックを家に置かないなど、誘惑から物理的に距離をとってみると、物事は継続しやすいのだ。
ただ、そもそも「嫌々やること」は、どうしても自分との戦いになってしまう。
たとえば「太ってきたから」という理由でジョギングを始めた場合、痩せたいという気持ちは本物でも、決して走るのが好きで走っているわけではない。こういうやり方は途中で挫折しやすい。
だからこそ、「快」を意図的に作り出すことが大切になる。つまり「痩せたいから走る」ではなく「走ると気持ちいいから走る」や「楽しいから走る」に動機をすり替えるのだ。ジョギング仲間を作るのもいいし、知らない道を開拓するのもいい。自分にとっての楽しみや喜びを見つけ出すことも、物事の継続を「自分との戦い」にしない工夫だといえる。
◇
本書では、いい習慣を続けられる人とそうでない人の違いを様々な視点から徹底的に解説していく。
自分の継続力のなさを「意志の弱さ」だと嘆いていた人は目からウロコが落ちるはず。目標や夢を実現させられる人になるために不可欠な継続力を身につけるために、参考にしてみてはいかがだろう。
(新刊JP編集部)
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