嫌いな人、苦手な人ともうまく付き合っていかなければいけないのが、職場の人間関係というもの。時には理不尽なことや納得できないことも起こる。
本当は付き合わずに済ませたいが、そうもいかない。ただ、そんな時にイライラしていては、ストレスが溜まる一方だ。そこで身につけたいスキルが「許す」こと。
『「許す」という心をつくる ひとつだけの習慣』(植西聰著、三栄書房刊)では、怒りの感情に支配されない考え方、「許す」習慣を身につけるコツを紹介する。本当に苦手な人を許すことができるのか。できるとすれば、どのように?本書ではいくつかその方法を挙げている。
・感情を交えず、事務的に対応する
せっかちタイプな人とゆっくりタイプな人は、分かり合えない部分も多く、相手の言動にストレスを抱えてしまうもの。そこで、「許せない」という怒りに振り回されないために、感情を交えず、事務的に付き合うようにするのだ。
ただし、冷淡になるようなことは避けるべきで、適度な距離感を取るのが望ましい。事務的なコミュニケーションは密に行いながらも、プライベートでは関わらない。馴れ馴れしい口の利き方は避けて、丁寧な言葉遣いを心掛ける。というような方法でほどよい距離感で付き合うのがいい。
・相手が変わってくれることを期待しない
苦手な人に対して「その性格を変えてほしい」と考えてしまうものだが、人の性格はなかなか変わらないもの。それならば、自分自身の相手への付き合い方を変えたほうが、手っ取り早く、ストレスも少ない。相手がせっかちな性格で合わないならば、まずはその性格を許すこと。そして、せっかちな性格に合わせて付き合い方を変えること。
また、自分の性格とは逆のタイプで苦手という人から教わることも多い。その人から自分にはない考え方も発見できるだろう。苦手な相手から何か教わることがあれば、相手に対する認識も変わり、許すことにも繋がる。
「性格が合わない」と苦手意識を持ってしまうと、その人への思いやりも忘れてしまいがち。なので、どんな人と接するときも思いやりを持つことが大切だ。思いやりを持つことで、マイナス面ばかり気になっていた相手のプラスな面も見えてくるはず。すると、印象も変わり、許すこともできる。さらに、もっと良好な関係を築くことにもつながるかもしれないのだ。
仕事を円滑に進めるためにも、自分の心をうまく保つためにも、苦手な人との付き合い方は身につけておきたいスキルだ。「許す」ことができる心のコントロールのコツを本書から学んでみてはどうだろう。
(T.N/新刊JP編集部)
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