本を知る。本で知る。

エース級のビジネスパーソンたちはどんな新人時代を過ごしてきたのか

  • 書名 マンガでわかる 伝説の新人 20代でチャンスをつかみ突き抜ける人はここが違う!
  • 監修・編集・著者名紫垣樹郎、秋内常良、三輪亮介
  • 出版社名集英社

もうすぐ6月。4月に会社に入ったばかりのフレッシュマンたちにとって、これからが仕事の本番といったところだろう。
しかし、実は今の時期の過ごし方がその後、自分がビジネスの世界で大きく羽ばたけるかどうかの分岐点になるということを、どれだけの新人が知っているだろうか。

各社のエース級のビジネスパーソンたちのインタビューを行い、彼らがどんな新人を過ごしてきたかを分析してきたクリエイティブコンサルタントの紫垣樹郎氏は、『マンガでわかる 伝説の新人』(集英社刊)にその特徴を分かりやすくまとめている。

「主体性を持ってビジネスを楽しむ者が、大きく羽ばたく」――そんなメッセージが込められた紫垣氏へのインタビュー。突き抜けたビジネスパーソンへの道は、どのように辿ればいいのか?

(新刊JP編集部)

■希望していない部署に配属 エース級の人材たちはどう乗り越えた?

――本書は7年前に出版された『伝説の新人』にマンガを加えて再編集した一冊です。働き方をめぐる環境は7年前とは大きく変わっているように感じますが、本書をどのような意図で出版されたのですか?

紫垣:確かに「働き方改革」は分かりやすいキーワードですし、残業の規制も進んでいますが、今回の本で伝えたかったのは、新人全体の働き方の変化ではないんです。

どんな時代であっても、突き抜ける結果を残す人がやっていることの根本はそこまで変わっていない。そこには普遍的なものがあると感じています。企業側の制度が整い、社員の働きやすい環境が生まれている。それは素晴らしいことですが、その環境をいかに活かせるかというところが大事だと思います。

――様々な業界のトップランナーの方々の話を聞くと、若い頃はがむしゃらに働き、その経験が今に生きているという人が多いように感じます。それが普遍的な原則ということでしょうか。

紫垣:それはおそらく「とにかく働いた」ではなくて、突き抜けたい、成長したいという強い気持ちを持って自分なりにたくさん行動したということだと思うんですね。

仕事を本当に楽しみたい、ビジネスを通してお客様に喜ばれたい、という強い気持ちがあれば、ビジネスのルールや原理原則を早い段階から率先して学びに行き、チャンスをつかむスパイラルに乗る努力を必死にするはずです。
若いうちからその部分にどれだけ時間を費やすか。これは必要なことだと思いますね。

――結果を出すことができるビジネスパーソンになっているかどうかの違いは、実際何歳くらいで明確に出てくるのでしょうか。

紫垣:働き始めて3年くらい経つと、はっきり分かるくらいに差が出ると思います。極端な話を言えば、3ヶ月、半年でも差は生まれているんです。でも、その差ははっきりと見えにくい。昇給や昇格などの分かりやすい物差しに出てくるのは、3年目くらいです。

そして、その時に気づいて、すでに一歩抜けた同期が過ごした3年を埋めようと頑張っても、その差はもう埋めづらい。もちろん、気づいた後に変わることは大切ですが、3年間の圧倒的なアドバンテージは大きいものです。

――紫垣さんはこれまでエース級の人材にインタビューをされてきましたが、そうした人たちは新人時代にどんな過ごし方をしていたのですか? その特徴を教えて下さい。

紫垣:1年目からビジネスの仕組みやルールを理解できていた人はほとんどいません。そんな中で共通しているのは、自分は突き抜けたい、トップを取りたい、こんな商品を生み出したいという「WILL」や「WANT」を持っていたことですね。

――「WILL」や「WANT」は、言うなれば「野心」でしょうか?

紫垣:「野心」ですとか、あとは「志」です。「野心」は自己実現、「志」は世の中のためというようなニュアンスですが、新人時代は自己実現欲求で動いて良いと思います。そこでがむしゃらに頑張り、自己実現に近づいていき、気づいたら仕事でやりたいことができるようになっていたという流れです。

そうなるとワンランク上がって視界が広がるので、お客様のためになりたい、会社のためになりたいという気持ちが芽生え、仕事というものに手ごたえを感じ始めます。そこで野心が志に変わってくるのではないかと思います。

――紫垣さんはリクルートのご出身です。もともと体育会系だった紫垣さんが最初に配属されたのはクリエイティブの部門で、自分のやりたい仕事とは違うと不貞腐れた時期があったとうかがいました。おそらく、希望した仕事ではなかったということに不満を抱く人も多いと思うのですが、その点についてアドバイスはありますか?

紫垣:配属って、基本的にはその会社の人事であったり、上司となる人たちが、新人がどういう人なのかということと、過去その会社でこういう人がその部署で活躍したとか、こういうスキルを持つ人がこの部署に必要だということを照らし合わせて、現状考えうる最高の配置を決めるんですね。

――なるほど。

紫垣:だから、まだ仕事をしたことがない新人が、「僕は企画じゃないとダメです」と言うことは、大きなチャンスを逃すことにつながります。まずは与えられた場所でチャレンジをしてみて、本気でぶつかってみる。そうしたら、「これは面白い」となることもあるし、「もっと違うことをしたい」と感じるかもしれない。でも、いずれにしても本気でぶつからないと分からないことです。

ビジネスは価値と価値との交換ですから、相手を基準に考えることが必要です。もし希望しない部署に配属になっても、「自分はここでどんな価値を与えられるだろうか」と考えることはできるでしょう。もちろん、いずれ企画をやりたいとか、開発をやりたいと希望を持って仕事するのは大切ですが、結果を残してきた人の多くは自分のキャリアや体験を肥やしにして自分の仕事に活かしているんですよね。

私も希望の仕事ができてなくて不貞腐れましたが(苦笑)、それはまだ早いと伝えたいですね。

――先日、日本マイクロソフトが8月を週休3日にすると発表しました。余暇時間の過ごし方については、エース級の人材はどんなことを心がけているのでしょうか?

紫垣:端的に労働時間で考えると、休みの時間が増えますが、会社が週休3日になったからといって、仕事のことを全く考えてはいけないというわけではないですよね。

自由な時間が増えるわけですから、例えば自分の成長につながりそうなことをしてみる。人に会いに行くでもいいですし、自分に欠けているものをインプットしに行く。実は成長につながる行動って、仕事そのもの以外にもたくさんあるんですよ。勉強もそうだし、企画を考える人なら、映画館なり展覧会に行ってヒントがもらえることもありますよね。

もちろん、仕事に直結しなくてもいいけれど、自分の「WANT」や「WILL」の糧にあるもの。自分を高める時間として、余暇時間を上手く使うべきでしょうね。もちろん、パフォーマンスを保つためのリフレッシュも大切です。

(後編に続く)

株式会社オトバンク「新刊JP」

次これ読もう、が見つかる「新刊JP」 日本最大級の書籍紹介ウェブサイト。話題の書籍や新刊本をブックナビゲーターが音声で紹介するインターネットラジオ番組「新刊ラジオ」や、書評記事、イベントレポート、出版業界の動向などを提供するニュースメディア「新刊JPニュース」、旬の作家のインタビューを掲載する「ベストセラーズインタビュー」、書店をフィーチャーした企画や電子書籍レビューなど、本にまつわるコンテンツを豊富に揃えています。あなたの「あ、これ読みたい」が見つかるはずです。

記事一覧 公式サイト

新刊JPニュースの一覧

一覧をみる

アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!

おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

出版社の皆様!

御社の書籍も、
BOOKウォッチに
掲載してみませんか?