子どもの頃はたくさんあった夢も、大人になるとしぼんでしまいがち。「職場と家を往復するだけ」という毎日に慣れきってしまっている人は多いかもしれません。
でも、夢は毎日を充実させるもの。何歳になっても持っていたいものです。そして、大人になってから持つ夢だからこそ、必ず実現できるように具体的に思い描き、必要なものを把握することができます。特に、「お金」は何をするにも入用になるキーワードです。
今回は『びっくりするほど夢が叶う未来設計術』(セルバ出版刊)の著者で、フィナンシャルプランナーとして活躍する加持麻希さんに、「夢とお金」をテーマにお話をうかがいました。その後編をお届けします。
――本書は「正しい自己投資のための本」でもあると感じました。加持さんご自身はこれまでどんな自己投資をされてきましたか?
加持:今の仕事につながるフィナンシャルプランナーの資格を取ったり、あとは投資スクールですとか、マーケティングやウェブセールスの仕組みを学んだりとか、起業の準備としての自己投資が多かったように思います。
――本書では「何歳で何をする」という「人生のロードマップ」を作ることが推奨されています。これを作るうえで気をつけなければいけないポイントはどんな点ですか?
加持:この本の「人生のロードマップ」は自分の未来予想図であり人生の道しるべです。
夢は、実現するイメージを本人が持てていないと決して叶いません。書き出して可視化することでそのイメージができてきますし、書き出すことで「夢を実現するために今やるべきこと」というタスクリストができます。
人間はやるべきことを整理して絞らないとエネルギーをうまく注げませんし、シンプルでないとなかなか行動に移せません。だからタスクリストは少なく、完結にすることが大切になります。
あとは、ロードマップ通りにいかなくても落ち込まないことです。その都度修正して、新しいタスクリストを作って実践するということを繰り返していれば、夢の実現に近づいていけます。
――今お話しされたような方法は、加持さんご自身が実践していたことですか?
加持:そうですね。20代の頃からずっとやっています。「結婚したい」とか「海が見えるマンションに住みたい」とか、漠然と持っていた夢を、ロードマップに落とし込んでいきました。
――当時はどんなタスクリストを作っていたのでしょうか。
加持:とりあえずはお給料を上げたいというのがあったので、そのためにどうするかというのをタスク化していましたね。
勤めていた会社は、早ければ入社3年目でリーダーになれて、そうなるとお給料が倍になりました。4年目でサラリーマンの平均月収に届いて、7年目くらいには課長職の平均月収くらい。
そこを目指すには営業成績を上げないといけません。営業成績を上げるには営業で人に会う機会を増やすのが第一ですから、土日でもアポイントを入れて、とにかく営業機会をたくさん作るようにしていました。
若い営業でそこまでやる人はあまりいませんから、結構それで契約を取れたりしました。人より早く昇進できたのは今思い返してみると大きかったです。
そして、その頑張りを私以上に評価してくれる上司達の推薦のおかげで、昇進できたことは、今も感謝しております。
――今の時代、老後のお金の心配がないと言う人のほうが少数派でしょう。こういう人たちのためにフィナンシャルプランナーの立場からアドバイスするとしたらどのようなものになりますか?
加持:お金を増やすには2つの方法しかありません。投資してお金に働いてもらうか、自分が働いて収入を増やすかです。
ただ「仕事を引退した後は悠々自適」が自分に合っているかということも考えるべきです。私の周りには80歳90歳になっても世の中のためにと働いている方々がいるのですが、そういう方は「悠々自適」なんてはじめから求めていないはずです。無理にリタイアしようと思うから老後のお金の悩みが膨らむわけで、定年退職後に仕事でもう一花咲かせられるような準備をしておくのも一つの手だと思います。
それでも定年後はのんびりしたいなら、お金の勉強をして投資するしかありません。今は国の方も積極的に投資に力を入れていますし、投資信託などで少額から始められるものもあるので、まずは練習のつもりで始めてみるといいのではないかと思います。
――最後になりますが、今回の本の読者の方々にメッセージをお願いできればと思います。
加持:夢を持って、それを実現させようと取り組むことは、毎日のやりがいにつながりますし、「人生のロードマップ」を作って自分の夢を書き出した未来のロードマップを作っておけば「あの時こうしておけばよかった」と後悔することはすくなくなるはずです。
夢を書くことで今の自分の行動が変わります。そして今の行動が変われば、未来もきっと変わりますから、まずは自分の夢をわがままでいいので、恥ずかしがらずに書いていただきたいですね。たぶん、はじめてみると、意外にたくさん出てくると思いますよ。
(新刊JP編集部)
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