自分が勤めている会社に対して、何も不満がない人はむしろ少数派のはず。特に中小企業では経営者と従業員の距離が近いため、自社の経営陣に対して「一言モノ申したい」という人も多いはずだ。
一方、経営者側も、従業員に対して「もっとこうなればいいのに」という思いを持っている。今回はその本音と、若い世代へのアドバイスをうかがうべく、『頭が勝手に働き出す思考法 少ない努力で最大の成果を出す社長の頭の使い方』(現代書林刊)の著者で経営者でもある西田芳明さんにお話をうかがった。
――『頭が勝手に働き出す思考法 少ない努力で最大の成果を出す社長の頭の使い方』について。自社の社員の方に向けた本のようにも読めましたが、どんな人に読んでほしいとお考えですか。
西田:創造力や発想力をもっとみがいてほしい、新しいビジネスモデルをつくってほしいと思ってこの本を書きました。年齢は関係なく、そういう立場の人に読んでほしいです。自分で仕事を組み立てる力をつけてほしい。
――部下の仕事の実力が伸びずに困っている上司は多くいます。部下の「頭の使い方」を変えるにはどのようなアプローチが必要になるのでしょうか。
西田:仮説を立てて行動して、その行動と仮説の間のギャップに気づくこと。そしてそこまで行ってから質問することです。今の子は考える前に人に聞いてしまいますが、これは感心しません。まず、自分で仮説を立ててみてほしい。
どんなことであれ、ある程度理解して仮説を立てられるくらいでないと、質問をするにしても効果的な質問はできないはずです。
――なかなか成長できない人の考え方の特徴をいくつか教えていただきたいです。
西田:マイナス思考。人のせいにする。具体的な目標が明確にない。何のためにやってるか意義目的が明確でない。自分中心に考えるから、自分に囚われて周りがみえない。当事者意識が持てない。相手の立場に立てない。こういったことだと思います。
――「ネガティブ体験を直視する」は大切なことだと思いました。「直視」の取り組みとして、頭のなかで反芻すると同時に、ノートに失敗の原因や改善策を書くといった取り組みも有効になるのでしょうか。
西田:有効的だと思います。ただ、そのときには問題だけでなく、課題も書かないといけません。問題を意識しながら、課題を書く方がいい。
仕事にアンカーをうつものは課題ですから、イメージすべきは、課題です。失敗を聞きながら、課題をどうやっていくか、というのをイメージしないといけません。。
(後編に続く)
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