STAP細胞論文をめぐる研究不正疑惑が取りざたされる、元理化学研究所研究員の小保方晴子氏の手記『あの日』(講談社/刊)が1月29日に出版されることがわかった。
その内容は、STAP細胞論文発表までの経緯や、論文が発表された2014年1月以降、不正疑惑が浮上したことによる論文の撤回、検証実験といった一連の騒動の詳細だとされるが、STAP細胞論文の不正疑惑が浮上してから2年近くが経ち、世間の関心度が下がるとともに当時の記憶も薄れつつある。
■「STAP細胞」騒動のおおまかな流れ
そもそも、なぜ小保方氏の一件がこれほど大きく報道されることになったのか。
発端は、2014年1月に、小保方氏が筆頭著者として執筆したSTAP細胞に関する論文が学術誌『ネイチャー』に掲載されたことだ。この時点で小保方氏の存在とその研究成果は大きく報じられたが、時を置かずして、この論文における研究不正の疑惑が指摘されるようになった。
この問題が注目を集めるにしたがい、同氏が早稲田大学在籍時に執筆した博士論文にも疑惑が向けられる。そして、検証の結果、STAP細胞論文について、は画像の不正な切り張りなどの研究不正があったことを理化学研究所が発表。博士論文についても早稲田大学の調査委員会によって、外部資料からの登用といった問題が認定された。こちらについては2015年11月、早稲田大学は小保方氏に授与した博士号を取り消す処分を下している。
一方、小保方氏はSTAP細胞論文における不正を否定、STAP細胞の存在を強く主張していたが、その後行った検証実験でもSTAP細胞を再現できず、最終的にSTAP論文を撤回。2014年12月21日に理化学研究所を退職した。
この1年、ほぼ沈黙状態だった小保方氏だが、今回の手記によって「言い分」が公になる。いまだ氏への世間の目は厳しいものがあり、不正を働いたという疑惑のある人物の出版自体にも否定的な意見は多い。小保方氏の手記は氏への評価を覆すことができるのだろうか。
(新刊JP編集部)
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