蛭子能収さんの本が売れている。昨年出版された『ひとりぼっちを笑うな』(KADOKAWA/刊)はロングセラーを記録し、14刷8万部を突破。まったく飾らず、正直で、自由な蛭子さんの姿はなんだかほっとするものがある。
『蛭子能収のゆるゆる人生相談』(光文社/刊)は『女性自身』に連載していた人生相談のコーナーをまとめた一冊で、主に女性からの質問に対して(男性からの質問もある)蛭子さんが正直に答えているのだが、これがまあ男らしさすら感じるというか、すっぱりと自分の考えを述べているのである。
49年間彼氏がいないという女性から「このまま独身で過ごすか、結婚するかで迷っています。気になる男性もいますが、優しすぎて物足りない気も…」という質問に対して、蛭子さんは「結婚する、しないはどうでもいいんですが、一度は男性と交際してみたほうがいいですよ」と一刀両断する。
また、浮気性の夫に悩まされ、性病までうつされた39歳の主婦からの質問には「あっ、これはあなたに魅力がないからです。離婚したほうがいいですよ。しっかりお金もらって。」と正直に自分の考えを伝えてしまうのだ。
でも、それだけにとどまらないのが蛭子さんだ。前者の質問への回答では、前妻が亡くなったあと、事務所にいた2人の女性マネージャーのうち、“美人じゃないほう”(蛭子さん談)のマネージャーと結婚しようと付きまとったが、すぐに辞めてしまい「ブスに限って、いい男を求めている」と気付けたとつづる。
さらに後者の質問では、一度だけ風俗に行ったことがあるが結果的にダメだったようで、蛭子さんが欲していたのは「性欲を満たすこと」ではなく、「自分が幸せになること」だったと述べている。「家に帰れば、タダでできるんですよ」と言い放っているのがなんとも蛭子さんらしいところだ。
恋愛や性愛だけでなく、仕事や人生など全国の読者から届く質問に対して、しっかりと蛭子調で受け止めて回答する蛭子さん。良くも悪くも正直なのだが、意外と正論もあって心に刺さる言葉がいくつもある。
肩に力が入っているときに、生きることがつらいと思っているときに、蛭子さんがあなたの側に寄り添ってくれる一冊である。
(新刊JP編集部)
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