アメリカ国立心肺血液研究所が今年、心臓病のリスクを減らすためには最高血圧を「120mmHg以下」にすべきという報告を発表しました。報告内容を詳しくみてみると、場合によっては薬を服用するなどして最高血圧(収縮期血圧)を「120mmHg未満」に保った患者は、心不全や心臓まひなどの高血圧がもとで発症する病気の発生率が低く、病死する割合が27%に下がったといいます。
日本では、高血圧診療指針「140mmHg以上」を高血圧としており、国内に高血圧の人は約4000万人以上いるといわれています。実に国民の3分の1が高血圧になっているという計算です。「120mmHg以下」にしなければならないのはわかった、でも最高血圧を120以下になんかできっこないよ、そんな嘆きの声が聞こえてきそうです。
血圧対策には、脱メタボをはじめとしたダイエットや食生活の改善が挙げられますが、挫折してしまった人も多いはず。食事制限はつらいものがありますし、運動は継続が大変ですよね…。
東京女子医科大学教授の渡辺尚彦さんが提唱する“ズボラでもできる血圧対策法”は、発想を転換した、ズボラな性格でもすぐに実践できるものになっています。
たとえば、人は、食べた量ではなく、目の前の物がなくなったことで満腹感を覚えるそうです。そこで、一回り小さな食器やスプーンを使ってください。たったそれだけで、食べる量が減ってしまいます。もうひとつ、食卓の上にある調味料を冷蔵庫や戸棚に入れてください。わざわざ台所に取りに行くのが面倒だからと、それだけで余計な調味料を使わなくなります。
こうした小さなことを積み重ねて、高血圧の敵である塩分の摂取と、減量の両方がさしたる苦労もなくできてしまうそうです。実は、この渡辺さんは、28年間携帯型血圧計をみずから装着して、365日24時間、血圧を測定してきたそうです。どんなときに、何をしたときに血圧が上がるのかを身を持って確かめ、熟知しているのです。
渡辺さんの著書『ズボラでも血圧がみるみる下がる49の方法』(アスコム刊)には、「こんなことで血圧は下がるの?」という、シンプルなテクニックがたくさん載っています。ますます寒さがきびしくなり、さらに忘年会や新年会などで外食がふえて、血圧があがりやすくなるこれからの季節、この「ズボラでもできる」健康法を試してみませんか。
(新刊JP編集部)
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