恋人との食事や接待、会社の酒席などで、フレンチやイタリアンのレストランに行ったことがある人は多いでしょう。
こういうお店につきものなのは、なんといっても「ワイン」です。
でも、自分のテーブルにソムリエがやってきてワインをすすめてくれたり、好みを聞いてくれているのに、ワインについての知識がないばかりに「お任せします」が常套句になっていませんか?
確かにワイン用語にはよくわからないものが多いですし、“通”の人にうかつに質問をしたらバカにされそうですし、ワインの世界は素人が踏み込みにくいものがあります。でも、このまま知らずにいるのはあまりにももったいない!
ソムリエの扇谷まどかさんは『2000円のワインでもソムリエと会話がはずむ本』(手尾広遠と共著、秀和システム/刊)で、「今週のワイン」と題してワイン初心者のために、季節にマッチし、なおかつ庶 民にも手を出しやすい価格帯のワインと、そのワインの特徴を教えてくれるとともに「エレガントな味わい」「マリアージュを楽しむ」といった、わかったようでわからないワイン用語についても明快に説明してくれています。
■「味のバランスがいい」って何のバランスがいいの?
「うん、これはバランスのいいワインだね」といわれても、大半の人は何のバランスがいいのかわからないはず。
扇谷さんによると、ワインのバランスを表す要素は「果実感」「酸味」「アルコール」「甘味」「タンニン(渋み)」の5つ。これらが整っているワインを「バランスがいい」と表現するといいます。この5つを覚えておけば、ソムリエに自分の希望を伝えるのがグッと楽になります。
■「エレガントなワイン」とはどんな味か
「エレガント」とは日本語で表すなら「上品な」ということ。
でも「上品なワイン」とはどんな味か、しっかり説明できる人は少ないはずです。
これも、先ほどの5つの要素で説明できます。「エレガントなワイン」とは「酸味」が強い半面「果実感」は豊かではなく、 「アルコール」は低め、どちらかというと軽めのものを「エレガント」と表現するそうです。
今まで知ったかぶりだった人も、これで自信を持って「エレガントなワインだね」と言えますね。
■「マリアージュ」は一つじゃない
「マリアージュを楽しむ」というのも、ワインに関連してよく聞かれる言葉です。
「マリアージュ」とはフランス語で「結婚」、ワインの世界ではこの言葉を「ワインと食べ物の調和」という意味で使います。
ただ、これは単にワインと料理の味が合うか、という点だけで捉えると、ワインに慣れた人と話がかみ合わなくなるかもしれません。
・食べ物とワインの色の調和
・ソースとワインの色の調和
・食べ物とワインの香りの調和
・食べ物とワインのボディ(甘味やコク)の調和
など、幾種類もの「マリアージュ」があることを心得ておきましょう。
マニアや愛好家が幅を利かせているワインの世界ですが、ワインは最低限の知識さえあれば、同席した人とワイン談義に花を咲かせたり、ソムリエとのコミュニケーションを楽しんだりと、初心者でもその魅力を存分に味わうことができます。
まもなく忘年会シーズン。今のうちからワインについて少し勉強しておけば、職場や仲間うちでの株が上がるかもしれません。
(新刊JP編集部)
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