男性であれば一度は関心を抱かずにいられないのが「AV男優」という仕事。もしかしたら「自分もなりたい」と憧れている人、憧れていた人は多いかもしれません。
でも、「いったいどうやったら男優になれるの?」「本当にHしてるの?」「お給料ってどれくらい?」など、実態は意外と知られていません。
そんなAV男優という仕事の実態を教えてくれる一冊が『AV男優しみけん 光り輝くクズでありたい』(扶桑社/刊)。イケメンAV男優としてカリスマ的人気を誇り、男優歴17年、出演本数なんと7500本超!というしみけんさんが、自身のエピソードで赤裸々に語ってくれます。
■どうやったらAV男優になれるの?
高校生のときからAV男優になりたかったというしみけんさんですが、なりかたがわからず飛び込んだのはゲイ雑誌の仕事。そこで知り合ったマツコ・デラックスさんにアドバイスされAV男優に「転向」したそうです。しかし、こういうデビューの仕方は例外中の例外。ほとんどのAV男優志望者にとって登竜門になるのは、AVの撮影で射精だけを求められる「汁男優」なのだとか。しかも「汁男優」の中にもヒエラルキーがあり、「いつでも発射可能か」「射精の量はどうか?」といった技術によって「上汁」(じょうじる)「中汁」(ちゅうじる)「下汁」(げじる)と分かれるそう。「射精するだけでしょ?」と思うかもしれませんが、女優さんのまわりにいるのは上汁や中汁で、下汁は上汁たちの背中を見ながらセルフチャージしなければなりません。タイミングを誤り暴発してしまったり、緊張でうまく発射できなかったり、汁の方たちもなかなか大変そうです。上汁で頭角をあらわすと、名前はカッコいい「汁エース」と呼ばれることもあるそうです。
ここで場数をこなし、顔見知りになった監督や男優に引き上げてもらうのが「汁男優」から「AV男優」になる王道。しかし、月に4000本が制作されるAV業界で、AV女優は1万人いるといわれているのに比べ、AV男優は70人ほどだとか。絶滅危惧種のベンガルトラが2000頭と推測されているので、ベンガルトラよりも少ないことになります。
■現場に行くまで相手の女優さんがわからない!?
AVの現場では、その場になるまで誰が相手かわからないことがほとんどだそうです。あるときは、午前中は超売れっ子のトップ女優さん、午後は双子のおばあちゃん……ということも。また、夏場なのに「汗だくもの」撮影でガンガンにストーブをたかれたり、冬場に「野外もの」撮影で雪男役として半裸で撮影したりと、肉体的にキツイこともあります。しかし、しみけんさんは「どの現場も楽しくてたまらない」と言います。
「『相手がおばあちゃんで勃つの?』とよく聞かれますが、こんな経験、滅多にできない!ってそれが興奮材料になったりするんです」(本書より)と、さすがプロのコメント。
1日2現場をこなし、相手が誰でも撮影場所がどこでも(寒くても暑くても砂利の上でも水中でも)監督の指示通りに発射をきめる。やはりちょっと特殊な才能なのかもしれません。
「きれいな女優さんとセックスをしてお金がもらえる」というイメージからか、AV業界には毎年300人ほど男優志望者が入ってきますが、1年後に残っているのは3人ほど。ほとんどは辞めていってしまいます。
しみけんさんが本書を書いたのには、「AV男優の実態を知ってもらうことで、もっと若手に出てきてほしい」という気持ちもあるようです。
本書では、「女優さんのストッキングの上から舐めると舌が切れる」「よくあるクレーム」など、AV業界のあるあるから、毎日の生活リズムや体の鍛え方、そして男性なら身につけておきたいプロ直伝のセックステクニックなど見どころが満載。一読すれば、セックスとAVへの考え方が変わるほど衝撃を受けるはずです。
(新刊JP編集部)
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