起業を考えていたり、新しいビジネスを立ち上げようとしている人であれば、誰でも一度は「ビジネスを成功させるための極意」について考えるはずです。
もちろん、あらゆるビジネスに通用する「成功法則」などないのかもしれません。ただ、世界のごく一部の成功者だけが共有する、ある種の鉄則は存在するようです。
その最たるものが「華僑」の間で語り継がれるビジネスの極意です。華僑といえば、世界のいたるところで商才を発揮する中国人。ビジネスの世界ではユダヤ人と並んで大きな勢力となっていることは、もはや説明する必要もないほど有名な話です。
そんな華僑社会のなかでも「ボス」とされる人物のもとに通い、2年間断られ続けてようやく弟子になれたという大城太さんは、著書『失敗のしようがない 華僑の起業ノート』(日本実業出版社/刊)で、彼らが守り続けている門外不出の極意を明かしています。
いずれも大城さんが弟子入り後1年間の過酷な修行中に、「ボス」の言葉を記録したノートがもとになっているそうです。
■どんな環境でもビジネスで勝つ、華僑のビジネス極意
華僑のすごいところは、世界中のあらゆる環境や文化に適応してビジネスを成功させる点です。ビジネスをする環境が整っていない地域でも、治安が悪い地域でも、経済が低迷している地域でもビジネスで勝つために、彼らはこんなことを大切にしているといいます。
・ビジネスパートナーは「できる人」より「やりたい人」を
・人を雇う時は「好き嫌い」で選べ
・裏切りのほとんどはお互いの「誤解」
・怒るのではなく「黙れ」
・失敗した人を悪者にしない
・社長は現場から離れてはいけない
・上手くいっていることを変えない
・ナンバーワンではなく「3位」を狙え
・嫌われても憎まれるな
これらの教えからは、ビジネスに長けた人間特有の攻撃性や油断ならない、といったことは感じられません。むしろ、相手を気遣う優しさや繊細さが印象づけられます。
大城さんいわく、華僑がビジネスで成功する理由は中国人特有の頭の回転の速さと駆け引きのうまさ。彼らは「ビジネスでお金儲けをする」という目的を、できるだけ敵を作らず、攻撃を受けず達成するしたたかさを持っています。
いかに商才に長けていても、馴染みのない土地であまり攻撃的にビジネスを展開したら、現地の人とトラブルになるかもしれませんし、競合相手を無駄に刺激してしまうかもしれません。それは自分のビジネスにとって決して得にならないことを、華僑はわかっているのです。
本書では、そんな華僑たちが密かに守り続けるビジネスの極意、起業の極意が「ボス」の言葉とともに124つ掲載されています。その一つひとつに日本人の観点で詳しい解説が加えられ、華僑の教えを実践して成功をおさめている大城さんの事例も豊富に盛り込まれています。
どんなビジネスも、走り始めたら逆境の連続です。それでも勝ち続けるために、世界の過酷な環境で成功を収めている華僑たちから学べるものは多いはずです。
(新刊JP編集部)
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