あなたは、ネット上で広がるデマに騙されてしまったことはありませんか? まったく何も考えずにSNSでシェアしてしまった…。この世の中にある全ての情報は、みんな正しいわけではありません。マスコミが言っているから、著名人が言っているから信頼するというのは、ある意味、「思考停止」に陥っているといえます。
情報が溢れかえっている時代だからこそ、自分の頭で考える力が必要です。そうしないと、損ばかりしてしまうかもしれません。
『“思考停止人生”から卒業するための個人授業』(潮田、滋彦/著、ごま書房新社/刊)は研修講師一筋25年以上・潮田、滋彦さんによる、ロジカルかつ自由奔放に考える頭をつくるための一冊。「先生」と「ヤマダくん」という2人のキャラクターの対話形式で進んでいきます。
どうして人は「思考停止」になってしまうのでしょうか? その謎を本書の内容から探っていきましょう。
■思考停止に陥っているときに発する言葉
本書の中で、先生のとある問いかけに対して、ヤマダくんは「○○○という解決策はありますが、それ以外は思いつきません…」とお手上げ状態になります。先生はこれを「思考停止状態」と呼び、次のような言葉が出てきてしまうと、それは思考停止であると述べます。
・忙しくて無理だよ…
・難しいよね…
・よく、わからないなぁ…
・まぁ、いいんじゃない?
・それは仕方ないよ…
・うちは特殊だから…
・みんなもそうじゃないか…
・今までは、そうやって来たんだから…
・ちょっと微妙だなぁ…
・できるわけないじゃないか!
本書で紹介されている「思考停止ワード」20個のうちの10個をピックアップしてみました。いずれも、思考を分断し、他の選択肢を排除する言い草です。もしかしたら、あなたが口癖のように使っている言葉もあるかもしれません。
もし、これらの言葉を使ってしまったときは、まず「自分は思考停止しているな」と気づくことがスタートです。その上で、別の選択肢を探るのです。「できない」で終わるのではなく、そこからさらに考える。これが「思考停止状態」を抜け出す一歩になります。
■実は環境そのものが「思考停止」に陥っていることも…
では、思考停止に陥ってしまうのは、その個人が悪いのでしょうか? もちろん、個人の問題もありますが、それだけではありません。
本書では個人の考える力を鍛えるとともに、周囲の人も巻き込んでチームで考える能力をレベルアップする方法もつづられていますが、やはり「思考停止に陥っている」職場の風土には特定の傾向が見られるそうです。
・コンフリクト(意見の衝突)を好まない
・特定の個人をちやほやする
・すべて「個人の自由」として片づける
・「チャレンジ=余計な仕事」になっている
・アンタッチャブル」な領域がある
・「人と違う」ことが否定される
・忙しさがすべてに優先している
・一人のカリスマが引っ張っている
・大きな成功例がある
・失敗が許されない
いかがでしょうか。あなたの会社はこの傾向に当てはまってはいませんか? これらが蔓延っていると、「思考停止」を生む風土を作りやすくなります。
ただ、何よりも重要なことはこれらに当てはまっているから組織の批判をして終わり、となってはいけません。組織が成長をするために自分は何ができるのかを考えることが大事なのです。
『“思考停止人生”から卒業するための個人授業』では5つのセッションを通して、ロジカルかつ自由奔放に考える方法を身につけていきます。潮田さんは3週間という期間やり続ければ、簡単な習慣化は有効だと述べます。つまり、3週間、自分の頭で考えることを意識し続ければ、その後も考える癖が身につく可能性が高くなるのです。
あなたは思考停止に陥っていませんか? 考えることをやめていませんか? 考える力が身につけば、人生はもっと素晴らしいものになるはずです。
(新刊JP編集部)
■トゥ・ビー・コンサルティング株式会社 ホームページ
http://www.to-be-consulting.jp/
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