「めんどうくさい」と思って、ついつい部屋の片づけを怠ると、いつの間にか散らかってしまっていた。そんな経験はないでしょうか。
片づけられない、片づけてもなかなか片づかない。どうしてそうなってしまうのか。
誕生日占いなどで知られるはづき虹映さんは著書『すごい片づけ』(河出書房新社/刊)の中で、その理由を解き明かし、自分の才能に気づくことができる「片づけ」の本質を説明してくれます。
本書を読めば「片づけ」に対する考え方が変わるかも? そんな一冊について、はづきさんご自身にお話をうかがってきました。後編では、「片づけの作法」についてお話をうかがっています。
(新刊JP編集部)
■片づかない場所にはあなたの才能が眠っている!?
――本書に「片づけることは隠れた才能を見出す」という側面があると書かれていますが、これはどういう意味なのでしょうか。
はづき:僕は人が片づけられない理由は2つあると思っています。一つは、隠しておきたいモノがそこにあり、それと向き合いたくないから片づけないということ。つまり、きれいになると自分が困る理由があるんですね。
もう一つがエネルギーを注いでいるモノです。好きなモノがあるとどうしても集めたくなりますよね。そしてモノが多過ぎて片づかない…。隠れた才能を見出せる場所は後者です。エネルギーを注いでいるからこそ、そこに才能の芽があるワケです。洋服だって好きだから集めてしまうし、キッチンもこだわるから食器や調理器具が集まる。
――つまり、片づかない場所を探ると、自分は何が得意なのかが分かるということですね。
はづき:そうです。片づかなかった場所が逆転して、その人の強みや才能になるんです。
――片づけの作法みたいなものってあるのですか? 例えばごみの捨て方とか…。
はづき:捨て方については基本的に自治体のルールがあると思うので(笑)おそらくおっしゃっているのは、思い入れの強いものであったり、縁起物だったりというモノのことだと思うのですが、作法はあまり気にする必要はないと思います。捨てるときはパッと捨てるほうがカタがついていますから。
ただ、確かに思い入れがあるとなかなか捨てることができないんですよね。僕の場合、それが本だったんですよ。
――僕も本はなかなか捨てられないのですが、家の本棚を整理したときに、残したい本と捨てる本を分けても、残したい本が9割なんですよね。
はづき:それはすごくよく分かります(笑)。でも、それじゃあ分けたことにならない。その本の中の一行、一文にも感銘を受けたことが書いてあると、それが惜しくなってしまう。だから僕は本の内容ではなく、本をインテリアとして飾るように残しています。背表紙の色ごとにまとめてみたりしてね。そういう使い方もできると思いますよ。
――片づけるタイミングはいつがベストだとお考えですか?
はづき:片づけたくなったときに片づけることがベストです。数秘術の観点からいえば、誕生日は大きな転換期で、運気が変わるタイミングなんです。だから、その誕生日の前後は特にお勧めですね。
――では、本書を通してどのようなことに気づいてほしいですか?
はづき:「断捨離」や近藤麻理恵さんの片づけ本がベストセラーになるように、片づけというのは日本人にとってとても重要なことですし、何よりも片づけるのが好きな国民なんだと思います。僕は日本人には片づけのDNAがあるように思っていて、ぜひそれを思い起こしてほしい。ただ一方で、片づけは終わりがないものです。テクニックで対応しようとしても、一時的にきれいになっただけでまた汚くなってしまうので、そもそもなぜどうして不要なモノが増えてしまうのかという根源的な部分を、本書を通して気づいてほしいですね。
――最後に読者の皆さんにメッセージをお願いします。
はづき:この『すごい片づけ』というタイトルは担当編集さんからご提案いただいたものなのですが、とても良いタイトルですよね。「すごい」というのは、「素の状態が濃くなる」という意味を持っていると考えていて、片づけることで、自分の素の状態がどんどん部屋に出てくる。片づければ片づけるほど、一番自分らしい自分がそこに出てくるのではないと思います。ただ、その過程でもどうしても片づけられない物が出てくる。そのモノにこそ、あなた自身の才能が隠れているのではないでしょうか。自分らしさに満ちた部屋に片づけること、それが自分らしく生きるために重要なことではないでしょうか。
(了)
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