「背が低い」「太っている」「顔がブサイク」などなど、私たちが抱える劣等感やコンプレックスは様々で、劣等感が何もないという人は、おそらく一人もいないはず。
だとすると、この感情を自分の中でうまく処理できるかどうかで、人生に大きな差がついてしまうかもしれません。実際、フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨人」の一人とされるアルフレッド・アドラーは、劣等感を「必要なもの」だとしています。
では、劣等感やコンプレックスをうまく消化するためにはどうすればいいのでしょうか。
『超図解 勇気の心理学 アルフレッド・アドラーが1時間でわかる本』(中野明/著、学研パブリッシング/刊)から紹介します。
■劣等感は悪玉ではない
自分の劣等感について考えると、たいてい暗い気持ちになったり、その劣等感のせいで嫌な思いをした時のことを思い出したりします。そのせいか、「劣等感=悪いもの」だと思いがちなのですが、少し考え方を変えてみましょう。
劣等感によって「恥ずかしさ」や「嫉妬」などのマイナスの感情を持つと、私たちはそれを「プラスの境遇」に変えようとします。つまり、劣等感を補ったり、別の長所を作るための努力を始めるわけです。
だとすると、劣等感は「自分を改善するための原動力」。そう考えると、なかなか悪くないものですよね。
■劣等感がさらに強力に!「劣等コンプレックス」に要注意
ただし、劣等感は必ずしもプラスの方向に働くとは限りません。
過度に劣等感を意識した際の態度を「劣等コンプレックス」と言い、こうなってしまうと、極端に臆病になったり、引きこもってしまったりと、マイナス方向に作用することもあるのです。
アドラーの心理学では、「自分を改善しようとすること」と「臆病になり引きこもること」はコインの裏表の関係だとしています。どちらも、劣等感を感じないようにするための行動だからです。
■自虐は絶対NG!劣等感を糧にする方法
劣等感から「マイナス方向の作用」を受けるのではなく、自分をいい方向に変える原動力にしたいなら、とにかく物事を楽観的に考えることです。
悲観的な人ほど、自虐的に「どうして私はいつもこうなんだろう。何をやってもダメだ」と、1つの失敗で自分の全てを否定してしまいがち。
対して楽観的な人ほど「成功したら自分のおかげ」、失敗したら「自分のせいではないし、今回だけのこと」と捉えます。
少々ご都合主義的ですが、ある程度こうした考え方でいた方が劣等感をプラスの力に変えやすいのです。
本書には「劣等感の心理学」とも呼ばれる、アドラー心理学の仕組みが、たくさんの大きな図解を使用してわかりやすく解説されています。
生きている限り劣等感はつきもの。せめて上手に処理して、自分を成長させるエネルギーに変えていきたいものですね。
(新刊JP編集部)
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