スーパーの店頭で並んでいる、真っ赤なりんご。美味しそうですよね。自然の恵みをいっぱいに浴びて育った美味しいりんごだと思いますよね。でもこれ、実はそうとは限らないのです。
「真っ赤で美味しそうなりんごには、見た目をきれいにするために、人の手がたくさん加わっていることがあります。地域によっては、病気や害虫の予防のために農薬を37回(成分)もまいているりんごがあるんですよ」。そう語るのは、食料ジャーナリストの手島奈緒氏。手島氏は、国産の自然食品など、安心して美味しく食べられる食品を扱う企業「大地を守る会」で、農畜産物の実態をたくさん見てきた人物です。
手島氏によると、りんごは「真っ赤」にするために、葉を摘み取られてしまうことが多いのだとか。お日様に当たる部分が赤くなるりんごは、葉の陰の部分は白いままになります。りんごは真っ赤じゃないと売れないため、りんご全体がまんべんなくお日様にあたるよう、邪魔になる大量の葉を摘んでしまうのです。すると、光合成で養分を作り出す葉が少なくなってしまうため、光合成が十分にできなくなり、味が悪くなります。もしかすると栄養価にも影響を与えている可能性があるかもしれないのです。
このように、食品の世界にはわたしたち消費者が知らないことがたくさんあります。自分のからだを守り、健康的な食生活を送るためには、単に添加物が入っていなさそうな加工食品を避けるだけでなく、食品がどのように作られているのかを知る必要があるでしょう。そんな「知らずに食べている体を壊す食品」の実態の数々…。幾つか、例を挙げてみましょう。
■白くてツヤツヤの米には「EU で使用禁止の農薬」が使われている可能性がある
日本人が大好きな真っ白なでピカピカのごはんですが、そのお米を作るために意外にたくさんの農薬が使われています。とくに斑点のある米の原因になる害虫の防除に、EU で使用禁止になっている農薬が使われていることがあります。農薬が気になる方は、有機米や、一般の農薬の50%以下で栽培されている特別栽培農産物に指定された米を選ぶといいでしょう。
■米国産牛肉の不安要素は、BSEだけではなかった
米国産牛肉には、成長促進のためのホルモン剤や抗生物質が使われていることがあります。これらは、国産の牛肉ですと使用が禁止されています。人体に対する影響はないとされていますが、BSEも相まって不安は残ります。しかしお惣菜や外食では産地表示の義務がないため、知らず知らずのうちに食べている可能性が高いのです。米国産牛肉を避けたい方は、「国産牛」とちゃんと表示されたものを選択することをおすすめします。
■原料表記を見ただけでは、遺伝子組み換え作物を避けることはできない
原料の表示部分を見て、遺伝子組み換え作物を原材料として使っているかどうかを確認している方も多いでしょう。しかし、食用油や醤油などについては「遺伝子組換え」の表示義務がありません。表示義務は、遺伝子組換え作物を使った全ての商品にがあるわけではなく、加工品33品目にのみあります。しかも現在の法律では、微量であれば「この原料は遺伝子組み換えである」と表示する義務はありません。遺伝子組換え作物が気になる方は、生産者がはっきりとしていて、遺伝子組み換えでない原料を使っている食用油や醤油を選ぶようにしたいところです。
このように、知らない所で体に害がありそうなものが使われている食品が、身の回りにはたくさんあるのです。それらの真相を暴き、なるべく避けるためのヒントを取り上げたのが、手島氏の新刊『まだまだあった! 知らずに食べている 体を壊す食品』(アスコム/刊)。自分たちの体を作っているのは、毎日食べている食品です。変なものを摂らないようにして、いつまでも健康で長生きしたいですよね。
(新刊JP編集部)
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