悩み事や心配事があると、ネガティブに考えてしまって目の前のことに集中できなくなってしまう。なぜ、こうなってしまうのか。それは、「自律神経」のバランスが乱れているためだ。
自律神経のバランスが崩れると、やがて心と体の不調にもつながってしまう。では、どうしたら自律神経のバランスを整えることができるのだろうか。
『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(小林弘幸/著、KADOKAWA/刊)では、さまざまな事例を紹介しながら「あきらめる」ことの大切さを説明し、「あきらめる勇気」を持つためにどのようなことをすればいいのか、どんな習慣を持てばいいのかを解説する。
私たちの体は脳がコントロールしているが、脳が体のすべてをコントロールしているわけではない。血液循環、排泄、免疫、代謝、内分泌など、恒常性を維持するためのシステムは自律神経が深く関わっている。自律神経は、24時間365日休むことなく、縁の下で支えてくれている大切なシステムなのだ。
自律神経は自分の意思ではコントロールできないものだが、著者の小林氏は、自律神経の研究をしてきたなかで、自律神経を自分の意思で“コントロールする”方法を見出した。自律神経を自分の意思で動かすことはできなくても、自分の意思で何かをすることで自律神経のバランスを整えるのだ。
自律神経を正しく機能させるためには、どんなに時間に追われていても徹夜仕事を続けることを「あきらめる勇気」を持つことが必要だ。
がんばろうとすればするほど気持ちは焦り、緊張が高まって、ますます副交感神経が下がってしまう。交感神経が優位になっている状態が持続して、加速度的に病気になる方向にいってしまう。
そこで、スッと「今日はここまでにして、あしたまた頑張ろう」とあきらめて睡眠をとれば、眠っている間に自律神経のバランスが整ってくる。仕事が忙しいときこそ、睡眠時間を削るのではなく、十分な睡眠が必要ということだ。しかし、現実的に仕事にはノルマや締め切りがあって難しいという人も多い。そういう人は、せめて週に1日、それもできれば平日にしっかり睡眠をとる日をつくること。その日だけは、残業もせず、まっすぐ家に帰って、リラックスした気持ちで睡眠の準備を整える。そうやって、週に1日だけでもぐっすりと睡眠をとることが大事なのだ。
仕事だったり、プライベートであったり、日々、私たちはさまざまなストレスを抱えている。やみくもにがんばり過ぎず、体と心のバランスを保つために、時には「あきらめる」ことも必要なのではないだろうか。
(新刊JP編集部)
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