芸術やスポーツ、ビジネスなど、どんな分野でも成功を収めた人に対して、私たちは「生まれつき才能があったんだな」という感想を持ちます。あるいはやっかみ混じりに「環境や援助に恵まれていたんだろう」と思うこともあるかもしれません。
もちろん、成功を収めたのですから才能はあったはずですし、人によっては環境に恵まれていた人もいたでしょう。しかし、成功の理由は、それだけではありません。
『マイナスをプラスに変える行動哲学―答えは自分の中にある。―』(生産性出版/刊)は、海洋冒険家の白石康次郎さんが、アルペンスキーの皆川賢太郎選手や、Jリーグ・ジュビロ磐田の小林祐希選手などトップアスリートにインタビューした一冊です。
彼らの言葉から、「夢を叶えたり、目標を達成するために必要なもの」を探り出します。
■イメージと行動力を磨け
何かに秀でるためには、確かに才能が必要なのかもしれません。ただ、才能に恵まれて、いい環境を与えられれば必ず抜きんでた成功を手にすることができるのかというと、そうでもないというのが事実です。
たとえば一流のスポーツ選手でも、そこに至るまでには自分と同等か、あるいはもっと才能がある選手を目にする機会もあったはずです。その中から抜きんでることができたのは、「自分の理想像をイメージする力」「決めたことを信じてやり続ける力」の賜物です。
人は、自分がイメージした以上の人間にはなかなかなることができません。
大きな理想を掲げて、そのために必要な訓練をやり続けることは、夢を実現させるための第一条件だといえます。
■「等身大の自分」を知る人は強い
夢や目標が大きければ大きいほど、失敗したり、つまづくことも増えます。
そのときに「等身大の自分」つまり今の自分の実力を把握できていないと、そこから立ち直ってやり直すことができません。
誰でも失敗や挫折はありますが、それは後退ではありません。それらを糧にしてさらに実力を伸ばしていくためにも、「等身大の自分」を受け入れる度量は持っておきたいものです。
■人事を尽くして天命を待つ
どんなに努力して、どんなに準備を重ねても、「本当にうまくいくのかな?」という不安は常につきまといます。そして不安や怒り、憎しみなどのマイナスの感情があると、人の体は固くなり、心も固まってしまいます。こんな状態では他人の言葉が頭に入ってきませんし、自分自身を信じることもできません。せっかくの努力が台なしになってしまう可能性もあります。
やるだけのことをやったら、夢や目標が実際に叶うかどうかはさして重要な問題ではない、と白石さんはいいます。
自分にできる限りのことをやったら、あとは自然に任せるというのも、夢に向かうために必要な考え方なのかもしれません。
自身も海洋冒険家としてヨットでの単独無寄港世界一周や太平洋横断の最速記録樹立などの偉業を持つ白石さんだからこそ、その言葉には説得力があります。
また、本書は「夢プロ」、正式名称「大学生の『夢をかなえよう!プロジェクト』のメンバーである早稲田大学生7名(早稲田大学生活協同組合、株式会社スポーツビズ、公益財団法人日本生産性本部/生産性出版、現役大学生のコラボチーム)が企画・製作までかかわっているそうです。
これから社会に出る学生の人はもちろん、何か目指すものがある人は、ぜひ本書の中から夢を実現させるための宝物となるような言葉を探してみてください。
(新刊JP編集部)
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