"プレゼンテーション"と聞くと、多くの人は大勢の前に立って行うものを想像するだろうが、自分の言いたいことを伝えるという意味では、小さな会議や打ち合わせも同じだろう。つまり、ビジネスはプレゼンの連続というわけだ。
しかし、ついついやってしまう余計な行動が、言いたいことが伝わることを阻害してしまっている可能性がある。ここでは『30万人を研修したトップトレーナーの心に響くプレゼン』(青木仁志/著、アチーブメント出版/刊)を参考に、プレゼンのときのNG行動を4つピックアップしてみた。
■自己中心的になる
プレゼンは自分を誇示するための場ではない。「自分はうまく話せているのか」「相手を退屈させてないか」といった恐怖心は、実は自己中心的な考え方から起こるもので、逆にそれが緊張や不安の原因となるのだ。
だから、「うまく話せているか」などと心配せずに、「プレゼンは相手のためにするもの」という前提の上で臨むべきだろう。青木氏は「服装」「挨拶」「言葉づかい」「礼儀」「安心感」を、気をつけるべき5つのポイントとしてあげている。
■自分にはない話をする
アマチュアは今欲するイメージや楽しみ、自分の気持ちを優先させるが、プロは成果を気にして実績をつくることに執着する。これはどの世界でも変わらないと青木さんは指摘する。
価値のあるプレゼンとは、聞き手の「最小の投資で最大のリターンを得る」という目的を遂げられること。だから嘘や経験していない話は厳禁だ。その上で等身大の自分のこと、自分が実践してきた効果的な話をしよう。自分を大きく見せる必要はないのだ。
■ネガティブアプローチをする
スピーチを始める前に「私は日本一スピーチが苦手でして...」などと謙遜する人がいるが、実際のところ、そんなことを言われても聞き手は困るだけ。必要以上の謙遜は聞き苦しいだけなので、堂々と本質的なことを伝えよう。もちろん謙虚さは大事だが、謙遜しすぎても聞き手の欲求を満たすことにはつながらないのだ。
■直立不動
ボディランゲージの重要性はおそらく多くの人が認識しているだろうが、心理学の実験結果でも、人間は93%が視覚や聴覚で情報を受け止めており、言語情報はわずか7%程度だという。そのため、直立不動を避け、なるべく伝えるためのボディランゲージをとるべきだろう。本書ではどの仕草がどんな印象を与えているか説明されているので、参考にしながら、自分の伝えたい内容と組み合わせてみるといい。
プレゼンにはたくさんのテクニックがあるが、そもそもの「伝達力」が優れていなければ、相手に本当の意味で「伝えた」とは言い難いだろう。
青木氏は、プレゼンでは話し手と聞き手に信頼が結ばれることが大事だと繰り返し述べている。話し方だけを磨くのではなく、まずは相手との信頼を結ぶこと、そこに注力してみてはいかがだろうか。あなたのプレゼンによって、大きな価値を聞き手に提供できるようになるはずだ。
(新刊JP編集部)
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