上司への報告、ビジネス・プレゼンテーション、就活インタビューや友人たちとの議論など、さまざまなシーンで、自分の話がなぜ明瞭に伝わらないのか、なぜ誤解されるのか、悩んでおられる方に、朗報です。メディアトレーニング(マスコミ対応の話し方訓練)の第一人者の一人、山口明雄氏の著書『誤解されない話し方、炎上しない答え方』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)によれば、誤解の原因は、「起承転結」の話し方です。「起承転結」で話すと、聞き手は、映画を観たりミステリー小説を読むように、話を聞く間に想像力を発揮して、ストーリーの展開や結末・結論を予想するので、最後に結論を聞いても、言葉通りに受け取らない。発揮した想像力や予想のバイアスがかかった解釈をするのです。これが誤解につながります。
誤解を減らすには、結論を真っ先に言うこと。すると、魔法をかけられたみたいに、聞き手の想像力は封印されます。結論を聞いてしまったので予測もしない。結論のあとの話は、結論にひきずられて、補完情報として、受け取るのです。
この話し方は、100年も前から新聞などの報道文体の国際標準となっている「逆ピラミッド」の応用です。誤解を防ぐだけでなく、わかりやすく、説得力がある話し方・答え方ができる奥が深い話し方です。著書には、山口氏がメディアトレーニング教えている「目からうろこ」の事例がたくさんあげられています。
以下は、ランダムに選んだ、誤解されない話し方、炎上しない答え方の3つのポイントです。
■ 先手必勝。相手が聞きそうなマズイことは、自ら先に話す。すると質問の矛先がぐいと鈍る。
■ 長い質問は、最後の文言に最初に答える。通常は、そこが聞き手の一番知りたいこと。
■ ウエブ投稿やマスコミ対応では、話し相手を錯覚しない。話し相手は、目の前の記者や、ツイッターやブログの「身内」だけではない。何百万人の「他人」なのだ。
『誤解されない話し方、炎上しない答え方』は、発売まもなく増刷がかかった売行良好書です。是非、参考にしてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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