口べたな人が、もっとうまくしゃべれるようになりたいと思った時、「話し方」に注目してしまいがちになる。
しかし、「話し方」以上に大事なのが「聞き方」だ。
コミュニケーションは話すことだけでは成立しない。私たちは聞くことで何がしかの情報を得ている。コミュニケーションはキャッチボール。円滑な会話のキャッチボールをするには、むしろ聞くことの方が重要。
『会話は「聞く」からはじめなさい』(上阪徹/著、日本実業出版社/刊)では、うまく話せなかった、会話が続けられなかった、気まずい空気が流れてしまった...そんなことがもう起きないように「よりよいコミュニケーションをするための聞く方法」「話すための聞く技術」について紹介する。
会話の際に、ついついやってしまうNG質問というのがある。
会話に困って、あるいは会話の導入として、時事ネタの話をする。このような時事ネタや天気のネタは、それほど親しくない間柄での一般的な会話としては適切ではない。大きな事件があったりすれば、それを共感に会話が始まることもある。ところが、意外に話が続かないものなのだ。そこから先に会話が広がっていかない。しかも、時事ネタから別の話に切り替えていくときが、けっこう難しい。きっかけにはしやすいけれど、実は扱いにくいのが時事ネタや天気ネタ。仕事でもプライベートでも避けた方が無難だ。
もう1つNG質問がある。誰でも聞きそうなことを、そのまま聞いてはいけないということ。例えば、ちょっと調べればわかることをわざわざ聞く。取引先に行って、オフィスがきれいですね、エントランスがきれいですね、といったありきたりの感想を言っても意味がない。質問を受ける側の立場に立ってみればわかるが、どうリアクションすればいいのか困ってしまうだろう。何も話すことがないので、とりあえず話した、と取られてしまいかねない言葉だ。例えば、オフィスに関して話をするなら、「このビルはユニークな設計ですね。どこが設計や施工をしたのでしょう?」といった具体的な質問をすること。会ってでしか聞くことができないことこそを聞くべきだという。
話すことは知識や才能も必要とされ難しいが、聞くことは注意しなければいけない点やテクニックもあるが、しっかり相手の言葉に耳を傾けるということに意識をすればできることだ。まずは相手の話を引き出して聞くということが、会話がうまくなる第一歩となるはずだ。
(新刊JP編集部)
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