毎晩遅くまで仕事をし、やっと休めると思ってもなかなか眠れない。朝目覚めても疲れがとれず、無理やり体を起こして活動するけど、どうも作業がはかどらない。
睡眠の大切さは頭では分かっていても、今の生活では、慢性的な睡眠不足はしょうがなし、快眠法や快眠グッズはいろいろ試したけど、うまくいかなかったとあきらめている人も多いのではないでしょうか。
病院等で脳のリハビリテーションを行ってきた作業療法士の菅原洋平さんは、著書『朝昼夕3つのことを心がければOK!あなたの人生を変える睡眠の法則』(自由国民社/刊)で、忙しい生活でも実践できる、脳の機能から導き出した睡眠の秘訣を取り上げています。
一体どのようなものなのか、今回はその一部を紹介します。
■脳の温度を下げる
たとえば、眠る直前まで仕事をしなければならなかった時などは、脳の温度が上がったまま布団に入ることになります。脳の温度が高いまま就寝すると、どんどん考え事が浮かび、なかなか鎮めることができません。
そんなときは、脳の温度を下げて活動を低下させると、スムーズに眠ることができます。
やわらかい保冷剤などを枕の上半分のところに置き、耳から上の頭を冷やします。首は冷やさないように行ってみてください。
■夕方には絶対に眠らない
人間は、内臓の温度が高いと活動的になり、低いと眠くなります。内臓の温度は深部体温といい、一日の中で上がったり下がったりするリズムがあります。深部体温が最も高いのは、起床から11時間後(6時起床では17時)で、最も低いのは起床から22時間後(朝4時)です。
しかし、疲れをとろうと夕方に仮眠をしてしまうと、上がるはずの深部体温が下がってしまいます。深部体温リズムは、十分上がらなければしっかり下がらないので、結果的に夜眠る時に寝つきが悪く、眠り始めが浅くなってしまうのです。
■就寝1時間前の体温を上げる
22時~2時の"ゴールデンタイム"に眠る生活ができないから、肌のコンディションや慢性的な疲労はあきらめているという人も中にはいるかもしれません。しかし、実は成長ホルモンというものは、特定の時間に分泌されるわけではなく、深部体温が急激に下がるほど増える性質をもっているのです。
そこで、就寝が遅くなってしまったときは、眠る1時間前のタイミングで、入浴や軽いエクササイズをして体温を上げてみましょう。夕方から夜にかけて深部体温は下がっていきますが、一時的に体温を上げると勢いがついてより深く下げることができます。この作用を使えば、睡眠不足によるダメージを減らすことができるのです。
菅原さんによると、起きている時間に深部体温などのリズムを強調することが、睡眠の秘訣だということです。
本書には、睡眠を構成する生体リズムの整え方や、眠気を防ぐコツなどが詳しく解説されていますので、午前中から仕事に集中したい、効率よく仕事をして残業を減らしたいなど、毎日を充実させたいと思っている人は参考にしてみるといいかもしれません。
(新刊JP編集部)
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