不動産広告や賃貸住宅サイトを見ていて、ついつい間取り図に見入ってしまうことはないだろうか。何部屋あり、どれくらいの広さで、台所やトイレの位置は...と見ながら、あれこれ考えるのは楽しい。
しかし、時にはとても不可解な間取り図がある。
・2階に吹き抜けがあるが、その吹き抜けの下にあるのはどう考えてもトイレ(尻を隠して頭隠さず)
・ロフトなのに引き戸(実際物件を見て確かめたい)
・トイレの中に便器が3つ(しかもそのうちの2つは対になっていて相手が丸見え)
・間取り図内に「明るい和室4.5帖」(窓が多いというPRなのだろうけど...)
・隣に共同洗濯機置き場があるが、その住居スペースを通らないと入れない(せわしない生活を送ることになりそう)
・2部屋の間に挟まれる形でトイレがあり、そこだけ共用(知人から聞いた話では海外のホテルに実際にそういう部屋があったとか)
・シャワー室に行くにはバルコニーを通らないといけない(冬は寒いし、裸を見られる可能性もある)
こうした難解な間取り図や面白い間取り図に対して、愛のあるツッコミを入れるトークイベント「間取り図ナイト」は、2013年1月現在で19回の開催数を数え、東京での初回公演以外はすべて満員という人気を誇っている。
そんな「間取り図ナイト」を書籍化したのが『間取り図大好き!』(間取り図ナイト/編、扶桑社/刊)だ。
「間取り図ナイト」はソーシャル・ネットワーキングサービス「mixi」の「間取り図大好き!」コミュニティが元になっており、コミュニティの管理人である森岡友樹さんと、住宅都市整理公団の大山顕さん、そしてフリーライターの大塚幸代さんの3人が間取り図に対して軽妙にツッコミを入れていく。
また、不動産ポータルサイト「CHINTAI」に間取り図の最前線を聞いたり、不動産業界の中で新たなムーブメントを起こして注目を集める「スマサガ不動産」に間取り図の見方について話を聞くなど、コラム面も充実している。
間取り図は平面のため、部屋の広さなどは把握できても、住みやすいかどうかまでは分かりにくいところがある。どの程度、太陽光が入ってくるのか、コンセントの位置は適切か...など、生活で不便だと思ってしまうところは、間取り図では測れない部分がある。
だからこそ、実際に家を選ぶときはちゃんと物件の下見をする必要があるのだが...やはり、想像がいくらでも膨らむ間取り図を見るのはとても楽しい。
本書は間取り図好きにとって、必読の一冊だ。
(新刊JP編集部)
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