嫌なことがあった時にすぐ気持ちを切り替えられない、自分に自信がない、気がつくとネガティブなことばかり考えているなど、体調が悪かったり、仕事で結果が出ないときほど、人はマイナス思考に陥りがちです。
この状態からいかに早く抜け出すかが、その後復調できるかのカギになりますが、そうはいっても引きずってしまう人は多いはず。
『マイナス思考から すぐに抜け出す9つの習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン/刊)の著者、古川武士さんは、マイナス思考から抜け出す解決策として“習慣の力”を使うことを勧めています。
では、その習慣とは一体どのようなものなのでしょうか。本書の中から一部紹介します。
■徹底的に具体化する
何か嫌なことがあって落ち込んだり苛立ったりしている時、その感情をそのままノートに書き出す習慣を持つと、気持ちを整理するのに役立ちます。
例えば、「ムカつく上司だ」「あいつは自分には甘いくせに人には厳しい」など、心に溜めている言葉を全て書き出しましょう。その際は「なんとなく気分が沈む」といった漠然とした内容ではなく、何が原因で気分が沈んでいるのか、という具体的なところまで落とし込んで書くのがコツです。
そして、その後は「言い方は厳しかったけど、自分に非はなかったのか?」など、あえてそれらに対する反論を書いてみてください。そうすることで物事への視野が広がり、状況を客観的に見ることができるはずです。そうなれば、どうすれば落ち込みや苛立ちをなくせるかという解決法も見えてきます。
■「お化け屋敷の法則」を乗り越える
お化け屋敷が怖い理由は、何が起こるのかわからないから。人はわからないもの、知らないものに対して恐怖感を持つ性質があります。漠然とした不安や恐怖は、これからどうなるのかわからないから起こるのです。
こういった感情から解放されるには、未来に起こりうる出来事をあらかじめシュミレーションしておくこと。この習慣をつけ、そのシュミレーションへの対策を立てておくことで、漠然とした不安・恐怖はかなり軽減されます。
■「できること」と「できないこと」を分ける
物事には「自分でコントロールできること」と「自分ではコントロールできないこと」があります。一般的には、コントロールできることは「自分」と「原因」、コントロールできないことは「他人」と「結果」だといわれますが、これを分けて考える習慣をつけることで、マイナス思考から解放されやすくなります。
「自分でコントロールできること」に集中していれば、物事の結果や相手の気持ちなど、自分にはどうすることもできないことに捉われることもなくなり、結果、他者や環境からストレスを感じることも減るはずです。
■長い時間軸から俯瞰する
今抱えている不安や悩みを長い時間軸から俯瞰してみることも、マイナス思考から抜け出す方法の一つです。
たとえば、今あなたが何らかの理由で怒っていたり、落ち込んでいたとして、10年後もそのことを覚えているでしょうか。
多くの人は、自分が1年前にどんなことで悩んでいたかを覚えていません。同様に、今抱えている悩みも10年後にはほとんどの人は忘れてしまっているはず。
このように「大抵のことは長い期間で見れば一瞬のことにすぎない」と考えてみる習慣も、マイナス思考に対処する有効な方法なのです。
マイナスの感情やマイナス思考を持ったままでは、その後の仕事や生活にも悪い影響が出てしまいます。
どんな感情でも引きずらずに上手にコントロールしていくために、本書で取り上げられている45の方法はきっと役に立ってくれるはず。自分の思考の傾向がわかるチェックテストもついていますので、ぜひ活用してみてください。
(新刊JP編集部)
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