本を知る。本で知る。

「移住したい国」第一位は?

 グローバル化が進む今、自分の生まれ育った国から出て働くことや、外国で暮らすことはもう珍しいことではありません。
 『あなたの人生が100倍楽しくなる「国際自由人」という生き方』(角川学芸出版/刊)の著者、藤村正憲さんは、2002年に日本を離れ北京に移住。現地でビジネスを立ち上げ現在はマレーシアで暮らす国際人です。
 本書はそんな藤村さんが、自身の体験を交えて海外移住のメリットを明かしています。
 誰もが一度は夢見る海外生活。そこには日本の常識では考えられないような利点があるようです。

■超高税率の日本、しかし海外にいくと…
 日本に住んでいると意識することは少ないですが、日本の税金はかなり高く設定されています。
 所得税ひとつ取っても、日本では所得が上がるごとに税率も高くなり、年収1800万円を超えると40%に。住民税を加えるとほとんど半額が持っていかれてしまいます。これがマカオであれば最高でも10%、香港でも16.5%と驚きの低税率。他の先進国と比較しても、日本より所得税の高い国は数えるほどしかありません。
 また、国で廃止が進む相続税も、日本では最高50%と割高。ビジネスに目を移すと、約40%という法人税率も世界的にみるとかなり高いといえます。
 海外で暮らすことのメリットとして、税金の安さは欠かすことのできない要素だといえそうです。

■月収19万円で富豪生活?
 お金の価値の違いも、海外移住の大きな魅力です。
 財団法人労務行政研究所が、東証一部上場企業231社を対象に行ったアンケートによると、2012年の大卒新入社員の初任給は平均で20万4782円。決して少なくはない額ですが、物価の高い東京で暮らすとなると楽ではないはず。
 しかし、アジアに目を向けるとこの収入で富豪のような生活を送れる国がたくさんあります。藤村さんによると、マレーシアでは家賃8万円ほどで、家具つき150平米のコンドミニアムを借りることができるそう。
 現地で月収20万円を稼ぐことができるかどうかは別にして、アジアに出れば日本よりも高い生活水準で暮らせることは確かなようです。
 このように、賃金が上がらず税金も高い日本と比べると、海外移住には現実的に考えてみる価値のある魅力があることがわかります。
 では、街のみなさんはもし海外に移住するとしたらどこに住みたいと考えているのでしょうか?
 今回は新刊JPが独自にアンケートを行い「移住してみたい国」を聞いてみました。

■日本人が移住したい国1位は…
 財団法人ロングステイ財団が行った調査によると、日本人が長期滞在したい国として一番人気があったのは藤村さんが住んでいるマレーシアで、2006年度から2011年度まで6年連続で1位となっています。しかし、今回のアンケートはそれとは違った結果となりました。
 アンケートの結果、「移住したい国」として一番多かったのがカナダで、全体の20%。その理由としては、
 「治安が良く、アジア人への差別がない」(20代・女性)
 「人が優しい」(30代・男性)
 など、現地の人の気質についてのものが多くありました。
 また、次に多かったのが
 「環境を考慮した都市づくりに共感するから」(30代・男性)
 「昔住んでいたことがあるが、とても住み心地がよかった」(20代・女性)
 といった、住環境への評価が高いドイツで、全体の16%。
 さらに、
 これに「物価が安い」(20代・男性)という意見の多かったタイ、「親日国だから」(30代男性)という台湾などが続く結果となりました。

 日本人に関して言えば、海外移住や海外で働くことに憧れこそすれ、人生の選択肢として真剣に考えている人はまだまだ少数派です。しかし、本書はAmazonビジネス書ランキングで1位を獲得しており、そのことからも生活や仕事の場として海外を視野に入れる人は増えつつあることがうかがえます。
 もし、今の日本に閉塞感を持っていたり、日々の暮らしに楽しみを見いだせないなら、気分を一新し、自分の人生をより意義深いものにする意味でも、海外に出ることを考えてみてもいいのかもしれません。
 それは、もう特別なことでも難しいことでもないのです。
(新刊JP編集部)

【関連記事】
空から超音速旅客機が消えた理由
不況に光?LCCのビジネスモデル
CAが機内のトイレ掃除までやる格安航空会社
スターバックス低迷の原因

「移住したい国」第一位は?

株式会社オトバンク「新刊JP」

次これ読もう、が見つかる「新刊JP」 日本最大級の書籍紹介ウェブサイト。話題の書籍や新刊本をブックナビゲーターが音声で紹介するインターネットラジオ番組「新刊ラジオ」や、書評記事、イベントレポート、出版業界の動向などを提供するニュースメディア「新刊JPニュース」、旬の作家のインタビューを掲載する「ベストセラーズインタビュー」、書店をフィーチャーした企画や電子書籍レビューなど、本にまつわるコンテンツを豊富に揃えています。あなたの「あ、これ読みたい」が見つかるはずです。

記事一覧 公式サイト

新刊JPニュースの一覧

一覧をみる

書籍アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

漫画アクセスランキング

DAILY
WEEKLY
もっと見る

当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!

広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?