「Q＆A」小林大輝著

登場人物の名前はアルファベット1文字だけ、1日で事件の真実を突きとめるスピーディーな展開といった読者を圧倒する仕掛けがふんだんに盛り込まれた渾身のサスペンス。

心臓を一突きされた死体が発見されるところから、ストーリーは始まる。大量出血で地獄のような苦しみを受けた被害者は、なぜかとても幸福そうにほほ笑んで死んでいる。そんな惨殺死体のそばに残されていたのは、犯人と被害者交互に問いかけ合うノート。事件を探る刑事は、次第に彼らの過去に引きずりこまれていく――。

最初の問いは、「世界は何によって構成されているか？」。親に捨てられた主人公の少年Qは、なぜ惨殺されなければいけなかったのか。少年の人生を激変させた出会いと別れ、法では裁けぬ哀しき犯罪を、23歳の新鋭が描く。Web小説界の常識を打ち破る「ピクシブ文芸大賞」受賞作で、テレビ朝日でドラマ化された。