美食を極めた廬山人というと、特別に手間のかかった料理を求めたにちがいないと思いがちだ。だが彼は「手のこみ入った料理ほどいい料理だと思っていないか」と実はそれと反対のことを語り、見てくれ優先の料理を退けていた。本書は『知られざる廬山人』などで定評のある著者が彼の残した言葉を取り上げて、その美食哲学を解き明かす。
「天然の味に優る美味なし」「もともと美味いものはどうしても材料による」「食器は料理の着物」...その言葉の数々は、一般にはとても実践できない料理道の実践者という廬山人像をくつがえす。
この本によれば、実際の廬山人は単純なことしか言っていないし、調理技術も単純だった。なぜ単純だったかといえば、料理は技術にあるのではなく、心と素材の解釈にあり、調理法を複雑にすることは本当の美味いを失うことだと考えていたからだという。"食の知恵"が詰まった1冊だ。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
記事一覧 公式サイト当サイトご覧の皆様!
おすすめの本を教えてください。
本のリクエスト承ります!
広告掲載をお考えの皆様!
BOOKウォッチで
「ホン」「モノ」「コト」の
PRしてみませんか?