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「日本人の肖像」葉室麟著 矢部明洋(聞き手)

  憲法論、天皇論が頻繁に交わされるいま、歴史時代小説を牽引(けんいん)する直木賞作家が、「日本人とは何か?」を真剣に突き詰めたのが本書である。
 二部構成の第一部は、古代から戦国、幕末、明治まで、さまざまな歴史人物を考察し日本人の実相を探っていく。そして第二部では、各分野の専門家との対談を通し、近代、戦後、東アジアといった、よりマクロな視点から「この国のかたち」をひもといていく。
 そこから見えてくるのは、たった一人で世の中と対峙(たいじ)するひとり一人の日本人の素顔だ。「感動することを大事にしている国民」と著者は言う。心が動く、心が何かを感じるということが、われわれの矜持(きょうじ)であり、歴史と社会を作る源になってきた。
 読み応え十分の歴史人物列伝として楽しみながら、憲法改正、そして天皇制を考える上での一助となる、優れモノの1冊。 

書名:日本人の肖像著者:葉室麟、矢部明洋(聞き手)発行:講談社
定価:1200円+税
 

夕刊フジ

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