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「侵入者 自称小説家 」 折原一 著

  北区十条で起きた一家4人殺害事件。迷宮入りがささやかれる中、"自称小説家"の塚田慎也は遺族から「事件を調査してくれ」と依頼を受ける。以前、同じく未解決の資産家夫婦殺人事件のルポを書いたことから白羽の矢が立ったのだ。
 調査を進める中で見えてくる2つの事件の奇妙な共通点。そして塚田自身が事件当日に目撃したピエロの謎。やがて塚田は、あるアイデアを思いつく。遺族をキャストに事件現場で再現劇を行い、犯人をあぶり出そうというのだが―。
 世田谷一家殺人事件や板橋資産家夫婦殺人事件をモチーフにしたとおぼしきミステリーだが、後半の荒唐無稽な展開には呆然。読者は、一癖も二癖もある遺族たちが演じる奇怪な再現劇の観客にさせられるのだ。劇が進むにつれて明かされる"真相"は、次の1行でまた塗り替えられる。本当の真犯人は、誰なのか?

書名:侵入者 自称小説家
著者:折原一
発行:文藝春愁
定価:1500円+税

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