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「レミングスの夏」 竹吉 優輔 著

  今年、60周年を迎えた江戸川乱歩賞。西村京太郎、東野圭吾、桐野夏生、池井戸潤など、いまの小説界を引っ張る実力派を輩出してきた偉大な賞だ、その昨年度の受賞者が本作の著者。受賞作『襲名犯』は、かつての連続殺人犯を模倣する新たな殺人犯が現れるミステリー。本作はそこからガラッと印象が変わり、少年少女のひと夏の物語だ。
 主人公アキラは4年前の夏に取り残されていた。仲間のリーダー、ナギはもういない。小学校時代からの仲間たちと起こした事件とその目的とは? 人生を賭けた少年たちの計画が変わりゆく街と許されざる罪に鉄槌(てっつい)を下す。青春と断罪のミステリー。
 タイトルの「レミングス」とは、増殖すると集団で移動するネズミのこと。新たな目的地へ向かうため、海や川へ飛び込む。ラスト、タイトルに込めた著者の思いが見事に結実する。若き乱歩賞作家、魂の受賞第1作。

書名:レミングスの夏
著者:竹吉優輔
発行:講談社
定価:1600円+税

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