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「虹の向こうの未希へ」 遠藤美恵子著

未希
遠藤美恵子著
夕刊フジの書評から
2014/9/15
 　「津波が押し寄せています。急いで高台へ避難してください」
　東日本大震災で最後まで非難を呼びかけた宮城県南三陸町職員の遠藤未希さん（当時24）を覚えている方も多いだろう。本書は未希さんの母である遠藤美恵子さんが、震災後につけ始めた日記をもとにした手記である。
　「未希ちゃんの呼びかけで助かった」という周囲の言葉に感謝しつつも、美恵子さんは娘を失った喪失感にさいなまれつづけ、テレビや新聞で「命のよびかけ」と称賛されても、絶望感は増すばかりだった。
　そんなある日、遺品を整理していると、未希さんが書いた手紙を見つける。それをきっかけに、民宿「未希の家」を始めようと決意した。さまざまな困難を乗り越え、今年7月に民宿はオープン。亡くした娘とともに生きるとは、どういうことか。母親として魂を再生させていく物語でもある。

書名：虹の向こうの未希へ
著者：遠藤美恵子
発行：文囈春秋
定価：1300円＋税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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